
紫嶋
@09sjm
2026年3月26日
営繕かるかや怪異譚 その参
小野不由美
読み終わった
借りてきた
大好きなシリーズの三作目。
このシリーズにおいて、怪異や幽霊はとても現象的な存在だなと思う。
明確にこちらを怖がらせよう、害そうという自我を持って迫ってくるというよりも、「そういうもの」としてその場所に浮かび上がってくるような。
何か理由があってそこにいるが、それを言葉にして語りかけてくることはない。
その場所や物の一部であるかのように現れて、瑕疵を置いていく。
だからなのか、それらに対して意味や意思を見出すのはいつも生きている人間側になる。
現象の不穏さや不気味さに呼応するように、自らの心の暗部が浮き彫りになったり、その現象自体への対処とともに、状況に対する自らの解釈も改める必要があったり。
なまじ住まいや土地に強く結びつく現象だからこそ、「無視をして無かったことにする」という選択ができない分厄介なところも、不思議と自然災害めいて感じるというか…。
そして、それらに対して雨漏りを修繕するように、引き戸の滑りを改善するように、そっと手を加えて現象に対処していく営繕屋のあり方が、他にない不思議な余韻を残してくれる。