
ひなあられ
@03_o0
2026年3月29日
西洋菓子店プティ・フール
千早茜
かつて読んだ
感想
当時読んでいた時の感想。
スイーツの甘みと、スイーツのお話の間で語られるあらゆる苦みのバランスがとても良かった
けどどれもしっかりとした重みを残しながらも後味が悪くないのでどんどん読みたい!という気にさせられた。
話が進む度に、冷ややかだと思っていた登場人物の深いところまで明かされていって、それぞれの人物に色がついていってすごく面白かった。
みんなきれいなだけじゃないけれど、きれいなだけじゃないからこそ美しくてピリッとした痛みも含めて綺麗だと思った
「グロセイユ」の衝撃は忘れられない。いくつもの章を読み進めていても、珠香の苦味は頭に残っていた。すごく絶妙な苦みを帯びていた
回想シーンなのに映像が鮮明に呼び起こされて、新鮮な苦みがあった。
一律に「思い出したくない過去」としてもいいはずなのに、今もなお亜樹はどこかで珠香
のことが忘れられなくて、それをただ純愛友愛と呼ぶにはすこし痛みを伴いすぎているような...ピリッとするけど、それがまたおもしろかった。
かと思えば「ヴァニーユ」では澄孝目線で語られる亜樹が憂いを浴びたミステリアスな感じですごく引き込まれた。 あ、さっき亜樹自身の言葉で語られていた亜樹と、澄孝から見る亜樹ってこんなに違うんだ...!?とも思ったけど、その影のあるミステリアスさを持つ亜樹がより魅力的に思えた。それと同時に、フーン...亜樹がどんなことを思って考えているのか知らんのか...私は知ってるけどな...澄孝...まだまだやな...😏とドヤって読んでる時もあった(どんな読み方?)
その後の「カラメル」の女性って、「ヴァニーユ」でちらっと出てきたあの女性なのか....!?とハッとして読み返した 合点がいったときすっきりした
登場人物が点と点で繋がる、こういうのは短編集の良さだなあおもしろいなあと思った
「ロゼ」は個人的お気に入りの章!どれも読了感のある、満足感のある章ばかりだけど、ミナの軽やかさが好き!語られるものは決して軽い口当たりのもではないけれど、格闘しながらも自分のあるがままを大切にしようとするミナの強さが好きだった
「ショコラ」の裕介があまりに切なすぎて裕介ー!!!!となった
亜樹に恋をする澄孝、そんな澄孝に恋をする美波、、それぞれにいじらしさがあって、そんな中亜樹のパートナーとしている裕介はめっちゃいいポジションにいるじゃん!と思ったけど、澄孝に牽制されてるところを見るともう抱きしめたくてたまらない気持ちになった。
「クレーム」では裕介ー!!!!おばあちゃーーーん!!!おじいちゃーーん!!😭😭😭とならずにはいられなかった
笹崎さん、長岡さん、おじいちゃんなど、人生のベテランが言うことはやはり違う
それぞれ一方通行でそれぞれ誰かのことが好きで...とあるが、そこに垣間見える不穏さがその人物像の深みをより増していて、総じてどの登場人物も魅力的だと思った。
作中でスイーツもネイルも「あってもいいけどなくてもいいもの」と言われていて、その危うさと甘やかさと儚さが、私がスイーツ小説を好きな理由なのかもしれないなと再確認させられた
読み終わるのが寂しすぎてゆっくり時間をかけて読んでいた 何度でも読みたいと思わせられる!近いうちにシュークリーム食べたい!



