ひなあられ "蜜蜂と遠雷(下)" 2026年3月29日

ひなあられ
ひなあられ
@03_o0
2026年3月29日
蜜蜂と遠雷(下)
当時読んでいた時の感想。 この作品の好きなところは、一言では言い表すことができないような深みのある魅力や凄さを、造詣が深くない人にも伝わるように表現されているところ。凄いことはわかるけどどう凄いのか、というのを表す描写に納得させられる。コンテスタントたちの心情や語っていることにすごく感心させられる。 というか、メタ発言をするならこの作品を書き上げた恩田陸さんがすごい。本当にすごい。 冨樫さんと風間塵の会話、なんか好きだなあ。生け花に対して殺生をしてまでわざわざ生かそうとするのは矛盾ではないか、というの、考えてみればそうだけど考えたこと無かったし、そのあとの冨樫さんの人間だって元来そういうもので、食べるために殺生をする〜云々も、ああ確かにとなった 冨樫さんが、他とは違う目をする風間塵と、生きてきた年月の差でひとつ上手なところがなんかいいなあと思った この作品の好きなところは感情が断続的じゃないところ!断続的じゃないというか、なんというか、文章が表す感情表現がその文章限りじゃないというか 泣くという表現ひとつにしても、その1文限りの感情でおしまいになるんじゃなくて、あとの文章まで尾を引いてるというか ふつう文章が長くなるとその人物の感情表現、文章に付随する感情って後ろの方になるほど薄れそうでくどくなりそうだけども、むしろその文章量がどれほど心に来たかを表す説得力にもなっているような気がする 音楽だからかなあ 他の登場人物が心の内でどんなことを思っていても、そのときステージにいる彼ら彼女らは弾き続けていて だから穏やかな感動が押し寄せて余韻を含ませているのかも 感動の時間が長いということは、ある意味感動の"空間"になりますよね 何十ページにもわたって綴られる感動の空間は、読んでるだけで心地よい 洗われる 没入する 三枝子の言葉でやっと理解した。 ホフマンは風間塵を「ギフト」にするための教育をしたのか、はたまた偶然なのか。手ほどきをした結果「なってしまった」のか。そんなことを考えもした。 この作品、だいぶん長作なのに中だるみしないのがすごいなあ ドラマ性がちゃんとある 上下ある長作を読むのはこれが初めてなんだけど、読めば読むほどキャラクターに愛着が湧いてくる あの4人好きだなあ〜〜〜〜 もはやこの作品を読み終えることに寂しさすら覚える 読み終わった、なんだか、この作品は大きなスケールだけれどどこまでも優しい爆発だなあと思う なにもかもスケールがでかくて計り知れないのに、どこまでも優しい 風間塵を困惑の対象としていたのが、時間をかけてみなが風間塵を「理解しようとする」対象に変わっていったのが素敵だと思った 音楽は無限の解釈があるからこそ風間塵は自由でいられるんだなあ 良い 暖かい 空間、この作品は直接的なものじゃなく空間がすべてを司る感じ、、空間に心惹かれ、やみつきになり、憧れる、それって実体がつかめないけど、だからこそ計り知れなく美しい。 得体の知れないものは怖いからこそ風間塵も恐れられてた(無論わたしも上の頃はラスボス扱いしてた)けど、20歳の3人と過ごすことで風間塵の子供らしさが垣間見える瞬間が好きだった。3人と話しているのを見ていても会話に大きく差が生まれることがないのがあの空間の心地良さを感じた、けど風間塵と大人たちの「生きてきた年月でしか埋まらない差」を感じるのもまた好きだった(対冨樫さん、対亜夜) そうだよな、風間塵もひとりの子供だよなあ ほんとにいい作品だった あとやっぱり明石がひそやかに好きだった 上下読んだ感想としては、すごく面白かった。読み応えはさながら、文字を追ってくごとに本当に音楽が流れてるような心地良さもあり、それぞれのドラマもあり、ライバルで終わるのではなく友情も紡がれ、コンクールの中で成長したり進んでいく各々のストーリー...ボリュームと満足感がぴったりと合ってて、読むのが楽しかった。好きだった、この本を読むのが。 文字を追ってページをめくれば、本の世界と音の世界に連れて行ってくれる。周りの音がシャットアウトされると共に、今読んでいるわたしにしか分からない音楽が流れ続けている。心地よい孤独だった。たぶん読み返すと思う。というか、読み返したい。 作品に挙がっている曲を聴いてみたくなる。曲を聴いて、どんな曲か照らし合わせて読むのもまた新しい楽しみ方ができるんだろうなと思う。もう一度読み返した時、この感動とまた出会いたい!そう思わせてくれた素敵な作品だった。
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