
roiban
@roiban
2026年3月28日
ラウリ・クースクを探して
宮内悠介
読み終わった
面白かった。独立前のエストニアに生まれ、幼少からプログラミングの才能を示したラウリ・クースクの足跡を辿る物語。小川哲が本作を指して「一級の脱法小説」(予定調和を避けた小説)と評していたことから関心を持った。多分言われなければ気付かなかったが、確かに折々に典型からの「逸らし」が効いている。教会で「奥の部屋には入るなよ」と言われた次の行で入ったりするのはちょっと笑った。小気味良い驚き。全体的に組み込まれたこの傾向のお陰とも言い切れないが、バルト三国独立という歴史の一大事に接続しつつ、直接関わるのでもただ押し流されるのでもない、英雄と普通の人の中間ぐらいの半生の物語としてバランスが良く感じた。




