meidosan
@meidosanmeidosan
2026年3月29日
イン・ザ・メガチャーチ
朝井リョウ
読み終わった
メガチャーチ(Megachurch)は、主に米国で1980年代以降に急増した、週末の礼拝出席者数が2,000人を超える大規模なプロテスタント教会です。カリスマ牧師の主導下、最新の音響・照明設備を備えたコンサートのような礼拝を行い、若者や現代人の居場所として高い集客力を持ちます。
道具
1 居場所のない人のためのコミュニティ。
2 熱狂して没入できるストーリー。
方法
共感能力を炸裂させ自他境界をあいまいにし視野狭窄に陥らせること。
対象
推し活(澄香)、ワーカーホリック(慶彦)、陰謀論(絢子)、宗教(絢子)、詐欺(絢子)、友情(慶彦)、その他金銭・時間・労力を奪い取るための虚構のすべて。
この小説を読んでいる自分もまた登場人物とこの物語に対して共感能力を炸裂させ自他境界をあいまいにし視野狭窄に陥らされて金銭と時間を巻き上げられているのではないかという感覚を味あわせてくれる作品。
小説最後の一文のあとに続くであろう展開でが秀逸。慶彦が自分が熱狂していたもう一つのメガチャーチ(ワーカーホリック)によって、娘を搾取していたことに気づいたとき、それでも彼が「本物の気持ちで選んだ間違いの上で、脳みそを溶かして動く自分のことが嬉しかったし、誇らしかった」なんて寝言をささやけるのか、ささやいてもいいのか、選択は読者に委ねられている。

