ゆずぽんず "殺人出産 (講談社文庫)" 2026年3月29日

殺人出産 (講談社文庫)
「殺人出産」を読み終えて、、、 社会における正義や倫理観はグラデーションのように移り変わっていき、新しいその価値観に順応できる者たちが後のマジョリティになっていくのだと。それを主人公である「育子」と、物語のなかでは前時代的価値観をもつ「早紀子」、産み人であり時代が殺人衝動に追いついたとも言える「環」そして、この時代をつくりゆく若者の代表として主人公の姪である「ミサキ」、この4人の登場人物が上手くそのグラデーションを表しているなと思いました。 「コンビニ人間」「殺人出産」、2つの村田沙耶香さんの作品を通して感じたこと、、、 この作家は現在多数派な倫理観や正義は本当に正しいのか?という点で小説という媒体を通して思考実験をしているんだなと。 それに加えて、ただ一つを「正しい」と盲信する事はいかに「狂気」と隣り合わせであるかというのも示している。 一つの視点や「正しい」と思われる点だけではなく、多角的な視点を持ち、時には現在では「悪・間違っている」とされるような点からも考える必要性を問いているなと感じました。
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