
ヤングオイスター飼育員
@umilkyapi
2026年3月30日

オズの虹の国 オズの魔法使いシリーズ
ライマン・フランク・ボーム
買った
読み終わった
久々に再読したくなり
ドロシーがカンザスに帰った後のオズの国
北の国に住む少年チップが主人公
なんとエメラルドの都でクーデターが起き……
作者ボームが子供たちに請われて書いた続編
子どもの頃はあのキャラクターたちとの再会にわくわくし、どんでん返しといっていい衝撃の結末には、子どもなりに感嘆した
最近1作目から読み返して、大人の視点で言えば、このシリーズは強い女性たちの物語なのかもしれないと思った
特に顕著なのがこの巻だと思う
今回登場しないドロシーはもちろん、物語に決着をつけるのはいつだってグリンダだし、チップたちを助けてくれるのも野ネズミの女王だし、今回の強敵魔女のモンビ、そしてクーデターの首謀者であるジンジャー将軍もそうだ
対して主人公チップを始め男性陣は、冒険の中心であるにも関わらず、いや、だからこそというべきか、基本的に右往左往し翻弄されている
1作目のドロシーたちとちがって、口ゲンカしまくり笑
ジンジャーは反乱の理由の第一に『男性の支配があまりにも長い』ことを挙げている
前王であるオズの魔法使いのおじさんも、今のかかし陛下も善政を敷いているにも関わらず、これが理由に来るのだから、1904年の話にしてはあまりにも『今』すぎる感覚で驚いてしまった
しかし、ありがちな、イマドキの男女論には収まらないのがこの物語の優れたところで、最終的に『男でも女でもどっちでも変わらない、きみはきみ』という着地をキメる
なんとなく、よしながふみの『大奥』のラストで和宮が言う、「わたしはいつだってわたしです」と重なった
ボームの妻は当時初の大卒女性の一人で、義母も婦人参政権運動に関わっていた人らしい
彼の描く御伽の国が、奇想天外にも関わらずなんとなく地に足のついたファンタジーである理由は、身近なところにあるのかもしれない
秀逸だったセリフは、革命後のエメラルドの都でかかしさんが言う一言
女性の革命により、女は家のことをやらなくなり、家事や育児は男性の仕事になっているエメラルドの都で、男性からの「元に戻してくれ」との訴えに対する返答
「きみがいうように、それがそんなに重労働なら、なんで女たちは、いままでああらくらくとやってのけたんだろう?」

