コー "星を継ぐもの【新版】" 2026年3月30日

コー
@koobs-books
2026年3月30日
星を継ぐもの【新版】
星を継ぐもの【新版】
ジェイムズ・P・ホーガン,
池央耿
いや〜SFおもしれ〜!! はじめて"SF"を読んだなって感じた。今までも古典と言われてきたSF数冊読んでたけど、ここまでちゃんとしたサイエンスフィクションしてるのはなかった。名作と言われている理由がわかった。 物語の構成は3部構成で、以下のような感じで分かれてる気がする(個人的に)。ネタバレ含む。 1部:UNSAでチャーリープロジェクトの統括を任されるまで 2部:調査開始〜地球での分析、調査、仮説立てて4つの説ができる(木星に行く前まで) 3部:月経由で木星に行く〜完結 で、各100ページずつくらいでキレイに構成されてる。 文系出身の僕には、3部に入るまでは読むのしんどかった。ヒューマンドラマ的な感情描写がほとんどなく、人間ドラマもほとんどない。 感情移入する余地がほとんどないのに、頻繁に視点が変わるので登場人物を把握しながら読み進める負荷が高かった。が、視点を何度も切り替えることで、宇宙規模の世界観を描写しやすくなっているとも言える。 それに加えて、上記の通りストーリーを読ませる仕掛けが、サイエンスの仮説→推論の論理展開のみ。つまり読者の知的好奇心のみになっているので、そこを楽しめないと2部まで読むのが厳しいと感じた。実際僕はしんどかった。(本当に勉強しておけばよかった。最低限、天文学か月理学?の基礎だけでも分かってれば楽しめたかもしれない) 最近の作品が展開早くて、2〜3個わかりやすい山場があるのが多いから、最近の作品に慣れてしまった僕からするともう少し展開早くするか山場増やすかして欲しかった。夏への扉とかですら60ページで一個山場来てたし…だが、このスケールの話を作るには100ページでも圧縮したんだろうなって思う。実際これ5部作?くらい続くみたいだし、作者の思い描くスケールが大きすぎて、この1冊で完結という前提で書いてないならないなら納得。 それにヒューマンドラマもなく、学術的な展開がほとんどなので、書かれ方が小説というよりも学術書?や研究者たちのドキュメンタリーの方が近いように感じた。 3部の謎解きパートは、宇宙のスケールの大きさを感じるセンスオブワンダー的な描写や、今までの伏線が改修されながら、さらにどんでん返しがあるので、密度が濃くとても面白かった。 SFとしても本格的なハードSFと呼ばれるジャンルだし、ミステリとしても本格派だった。 世界観の緻密さというかサイエンス部分のリアリティは読んでいて信じてしまいそうになる話だった。あくまでフィクションだとは理解しているつもりだけど、自分の中の世界が広がるような作品だった。 月から地球にやってくる設定は色々な作品への影響を感じた(ドラゴンボール、ワンピースなどもここを軸にしていると言われても違和感がない。) 実際読んでいて、誰かを通して世界を説明する構造はワンピースと似た構造だと思った。ワンピースはロードムービーになってるからチェックポイントがあるし、各チェックポイントで各島の人たちの感情があるから読めるんだけど。最近のは見てないけど、最後の伏線改修パートになるであろうイム様の正体とか空白の100年とか?Dの一族と天龍人とはみたいな解説のところはこの作品と同じような読み味になりそう。 今まで小説には内面の考え方や心情の部分を揺さぶられることに快感を求めて読んできたけど、ハードSFは自分が思い描いている物理的な空間に対する認識を広げたり再解釈させてくれる力があるように思った。 ミステリの名作も読んでみようと思ってたけど、SFの沼にハマりそう…
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved