鷲津 "アイネクライネナハトムジーク" 2026年3月30日

鷲津
鷲津
@Washizu_m
2026年3月30日
アイネクライネナハトムジーク
いつの頃からか伊坂さんの小説がつまらなくなってきて、もう読むのを止めようと思っていた。そんな矢先に出たのが、この小説 伊坂さん待望の恋愛小説。まあ、斉藤和義さんとのコラボ企画だから実現したようなものだけど 小説の中で、斉藤さんは八卦見宜しく、随所に登場します。訪れた人の気持ちにピッタリ合う、斉藤和義の曲をかける...ただそれだけなんだけど、その歌詞が何とも言えない いつものとおり、この小説も短編の連作。それぞれの登場人物が微妙な重なりで繋がり、最初のバズライトイヤーのエピソードから、良い感じで物語は始まります 女性は、スポーツの試合で誰々が勝ったら告白する...と言われたら、どう思う?そんな他力本願はイヤ!きっとそうなんでしょうね 「ライトヘビー」のエピソードも、そんなとこから始まるの。でも実はそれが他力本願じゃなかったら、どうする?伊坂さんの恋愛小説は、一筋縄ではいかない この小説は「ライトヘビー」の彼、彼は正真正銘のボクサーなんだけど、彼を中心に話が進みます。その彼と偶然出会うことになる耳の不自由な少年。耳のことが原因でクラスメートに苛められる少年は、いつも心に怒りを抱えている。ボクサーと少年、二人が出会うシーンで、少年を心配して駆けつけた姉が見せる仕草 『右手で自らの左肩あたりを触り、その後で右肩を叩いた』 これは『大丈夫?』のサインなんだけど、そのシーンで少年が世の中を憎み、失望していることが透けて見える。そんな少年にボクサーの彼が少しだけ希望を抱かせる。誰も折れなかった棒切れを、ボクサーがいとも簡単に折ることによって... でも、ボクサーの彼、次の世界戦で負けちゃうんだよね。きっと応援していた少年の気持ちが、そのことでどれだけ傷ついたか、希望を失ったかもしれない、それをずっと気に病みながら想い続ける 月日は流れて、ボクサーの彼が再起を賭け、再度世界戦に挑戦することに、でも相手は全盛期のマイクタイソンに匹敵する若いボクサー。それでもいろいろな想いを背負いリングに上がる年老いた彼 意外なことに試合は善戦することとなり、ボクサーの彼は最後の気力を振り絞り相手に向かっていく。でも最後の最後でガス欠になっちゃうの やっとの思いでコーナーに戻ってくる彼。次のラウンド、もう立ち上がる気力すら残っていない。そんな彼の前にラウンドガールではなくラウンドボーイが現れる そのラウンドボーイは、ボクサーの彼の真正面に立ち... 『その右手で、自らの左肩を叩き、それから右肩を叩いた』 小説を読んでいて、スローモーションの感覚に襲われたことってある?書いてる文字を追ってるだけなのに、急に時間の進みが遅くなり、それまでの喧騒が止み、静かになる。この一文は私にとってまさにそんな感じ。と同時に涙が止まらなくなったんだけど この後、ボクサーの彼はどうなったのか、、それは読んでのお楽しみ 伊坂さんの小説は、どうしてもテンションが上がっちゃって、、、自分でも何書いてるか、よくわかんない文章になりました○マル
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