
いーじーらいす
@EasyRICE
2026年3月30日
シッダールタ
ヘルマン・ヘッセ
読み終わった
「ゴーヴィンダよ、世界は不完全ではない。完全さへゆるやかな道をたどっているのでもない。いや、世界は瞬間瞬間に完全なのだ。あらゆる罪はすでに慈悲をその中に持っている。あらゆる幼な子はすでに老人をみずからの中に持っている。あらゆる乳のみ子は死をみずからの中に持っている。死のうとするものはみな永遠の生をみずからの中に持っている。いかなる人間にも、他人がどこまで進んでいるかを見ることは不可能である。強盗やばくち打ちの中で仏陀が待っており、バラモンの中で強盗が待っている。 深い冥想の中に、 時間を止揚し、いっさいの存在した生命、存在する生命、存在するであろう生命を同時的なものと見る可能性がある。 そこではすべてが良く、完全で、梵である。それゆえ、存在するものは、私にはよいと見える。死は生と、罪は聖と、賢は愚と見える。いっさいはそうなければならない。いっさいはただ私の賛意、私の好意、愛のこもった同意を必要とするだけだ。そうすれば、いっさいは私にとってよくなり、私をそこなうことは決してありえない。」

