無花果
@no-flower
2026年3月30日
月収
原田ひ香
読んだ
『賢くお金を転がして勝利』なオチが多くて少々安直に感じた。
今回も中古不動産投資をする話が出てきた。この作家の話ではいつも上手くいっているが、あれだって上手くいかないことも多いと聞く。
さらに、収入を低く低く抑えて、徴税対象からは外れて公共福祉だけは手厚く享受して、1番『賢く』暮らすという手段を取る話も出てくるが、そのような人達が増えれば社会は当然崩壊する。それについてもモヤモヤした。
NISAなどは、要はせっせとアメリカに貢いでそのお零れを貰っているということで(企業を選んでいる人は余りいないだろう)、アメリカに投資をするということは、トランプの戦争やイスラエル支援企業の凶行を金で応援し、加担するということ。投資家なんて戦争を一大金儲けのチャンスと捉える最新版の武器商人ではないのか。
この作者は少しでもそう考えたことはないのだろうか?善良で真面目に生きてきた人が、貧しさを回避するために頑張って貯めたお金を託す先で、気付かぬうちに邪悪に加担しているこの仕組みについて。
そう言った葛藤を文面から読み取ることはできないのを残念に感じる。
たしかに貧しい日本で庶民ができることは投資しかないのかもしれない。
だが作家なら、搾り取るだけの社会や政府への怒りも描くべきではないのかと思った。
「他人が作ったものを右から左に移してるだけの奴ほど威張ってる。薄っぺらな人間のカラッポな言葉を聞かされるのにウンザリした」
リトルフォレストという作品の中に出てくる私の大好きな台詞だ。
この言葉に何かを感じてしまう人間ほど、金を転がすのが賢い今の賢い生き方という社会にウンザリしているのではないか。