
りら
@AnneLilas
2026年3月30日
絞首商會
夕木春央
読み終わった
聴き終わった
本の中の本
明治・大正時代
@ 自宅
『サーカスから来た執達吏』が面白かったので、夕木春央の大正時代もの2冊目、デビュー作を読んでみた。
主な連絡手段が電報という時代だけに、現代とは比べものにならないくらいのんびりしており、探偵二人組が登場するまでも長かったし、容疑者が4人の誰かなのが明かされるだけでその後もなかなか進展しないので、聴いていてすごく長く感じた。
探偵役の蓮野が元泥棒で、以前泥棒に入った屋敷の住人から捜査を依頼されるというのはちょっと斬新。相棒は売れない画家の井口。火炎瓶を華麗に投げる女学生こと、井口の姪の峯子が大活躍。
被害者の親族関係が複雑で最後まで正確に把握できなかったので、村上家の家系図が欲しかった。
水上婦人が伯父の研究を手伝うためにかつてドイツに滞在しており、一次大戦でやむなく病の子を置いて引き上げなければいけなかった経緯や、当時は最先端の科学だった血液の研究のくだりは面白かった。
無政府主義者の結社の実態がいまいち掴めず、動機についてもそれを調べてもらうために殺しまでするのかというとやや説得力が足りず、他の方法があった気がする。
『サーカスから来た執達吏』のユリ子の雇い主・晴海商事の社長が、画家の井口くんのパトロンという設定以外に両作品に繋がりがあったのかどうかはわからなかった。
『サーカス〜』には確か幽閉中の暇つぶしに『若草物語』が与えられたというエピソードがあって、『絞首商會』にはアメリカのベストセラーという触れ込みでウェブスターの『あしながおじさん』が出てきた。
オーディブル2.15倍速。