
記憶の本棚
@kioku-no-hondana
2026年3月30日
ユビキタス
鈴木光司
読み終わった
愛するという行為には、その対象を失うときの悲しみも同時に引き受けるという覚悟が要求される。悲しみを絶対に味わいたくないというのなら、最初から人を愛さなければいい。人間に対する執着を一切捨てれば、苦しい思いから解放されるだろうが、人生は味気無いものになってしまう。
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鈴木光司が16年ぶりに発表したホラー長編小説!
恐ろしくざっくりいうと、“地球生命の歴史を、動物の視点ではなく植物の視点から見てみよう!なぜなら、地球生命全重量の99.7%を占めているのは、他ならぬ植物たちだから”という物語。まずこの事実になかなかの恐怖を感じた。
そして、人間が植物を育て、守り、植物という存在を思いのままにしていると思っているが、真実は植物が人間を支配しており、人間を生きるも殺すも植物次第だという着想がなんとも奇想天外で不気味なんだけど、ストーリーを読んでいくうちに、「なんかあながち間違いじゃないんじゃない?植物、こ、怖いぃ」という感情が生まれるのがまた面白怖かった!
我が家に結構観葉植物あるんですけど、この本読んでから植物たちがどうにも怖いんですよね。
でも植物恐怖症になったら、地球生命全重量の99.7%も植物が占めているのに、もうこの恐怖からどこにも逃げれないんじゃないかと絶望する。
あと、物語の鍵となる謎の古文書「ヴォイニッチ・マニュスクリプト」が登場するんだけど、こんな古文書が本当に存在するなんて驚きだった。
イェール大学のバイネキ稀覯本・手稿図書館に所蔵されていて、なんとデジタル化されているから誰でも閲覧できるというので全ページ閲覧したんだけど、これがまたなんとも言えない不気味さがあって。
まだまだ知らない世界があるんだなぁと、最高に面白い作品だった!


