Santiago "成瀬は天下を取りにいく" 2026年3月30日

Santiago
Santiago
@snows
2026年3月30日
成瀬は天下を取りにいく
前から気になっていたが社内の図書活動の一環で借りられる事になり拝読。 登場人物は滋賀県大津市膳所にすむ高校生「成瀬」、その幼馴染の「島崎」、同じく幼馴染だがそんなに成瀬のことが好きではない「大貫」、同じ街に住む社会人の「敬太」「マサル」、そして成瀬と同じ部活動の全国大会で出会う「西浦」。 成瀬を中心としたそれぞれの人物の群像劇が描かれる。 序盤は基本的には彼女を取り巻く人物に感情移入する事が多かった。作中では成瀬は過剰なくらいの「完璧超人」として描かれるからだ。 勉強は学年でトップクラス、あらゆる大会で賞を取り、奇抜な思想と確固たる意志を持つ彼女の前では彼女以外の登場人物は基本的に「モブ」として描かれる。 そんな彼女を取り巻くそれぞれの人物たちは、彼女、もしくは作中の年で閉店してしまう西武大津店をきっかけに瞬きのような青春を経験する。そして最後にはその曇りなきビクトリーロードを歩んでいる彼女さえも年相応の思春期を経験することになるのだが、誰もが経験する当たり前のような解れに戸惑う成瀬の姿を見て初めて、他の登場人物たちと同様にモブである読者は、その規格外に秘められた等身大の気持ちを知ることになる。 成瀬、そして大津を中心に描かれる舞台とストーリーはまるで日記を読んでいるような手触りで、共に青春を過ごしたような清々しい気持ちになる作品でした。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved