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Santiago
Santiago
@snows
  • 2026年2月10日
    廃用身
    廃用身
    実写映画のポスターの不穏な雰囲気と、字画が削られたタイトルロゴに惹かれて借りた。 舞台は回復の見込みのない麻痺を患った老人達をケアするクリニック。老いて死んでゆく者の介護という、将来性の無さと無理解から敬遠されがちな老人医療に取り巻く課題をなんとかできないか苦悩する医師は、思いがけず麻痺した四肢を切り落とすことで介護負担が減らせる処方、通称「Aケア」を発見し、その有用性を示す言論から本書はスタートする。 読み進める度に、考えてはいけない倫理的なタブーがひとつひとつタブーではないと丁寧に解かれていくようで恐ろしく感じた。 一方で、本書は決してホラー小説ではなく、これから(2005年著のため既に20年前だが)老人医療が直面する問題に強く向き合った医療小説であり、それは決して他人事ではなく自分たちにも起こり得る問題の様様を投げ掛けてくる。 まるで著者は未来が見えているかのように描かれるストーリーとその結末は、著作から20年が立っても映像化されることが頷けるような作品だった。
  • 2026年1月30日
    ハーモニー
    ハーモニー
    身体管理ナノマシンの導入により病疫と怪我を完全に克服した社会で、自らの身体が社会的リソースではなく自分たちのモノであることを証明しようとした3人の少女と、その世界の物語。 本書における「なぜ争いや支配が起こるのか?」への回答が、人間が自然の中で持つ”仕様通りのバグ”であるというメッセージは依然戦争と独裁が続く現実社会へのアンチテーゼであり、伊藤計劃自身が投げ掛ける問いのスタートでもある。 反戦と平和という誰しも持つポジティブな願いを、息の詰まるユートピアと哲学的ゾンビで表現したストーリーと文体がユニークで面白かった。
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