とろん "侍女の物語" 2026年3月31日

とろん
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@toron0503
2026年3月31日
侍女の物語
侍女の物語
マーガレット・アトウッド
長いあいだ積読だったのだけど、なんとなく読みはじめた。本に呼ばれたような感じというか、現在の社会情勢と合致するところが多い…ギレアデ共和国はイラン、ロシア、ナチス時代のドイツなどの特徴があるけれど、核戦争?後のアメリカがテロリズムによってディストピアになった姿でもある。アメリカも一歩まちがえば、敵対する国々と同じ価値観になる可能性を示唆しているようだった。 ギレアデ共和国の文化や教義はオリジナルなものはなくて既存のもののコラージュであることも興味深い。かなり残酷な場面であった終盤の「共同制作」ですら、シンポジウムで諸外国であった風習であることが明かされている。 このシンポジウムの章が効果的なのかはあまりよくわからない。ギレアデ共和国が滅んだことは希望ではあるけれど、元ネタというか舞台裏を最後に見せられている感じがして…読み手にぜんぶ委ねてしまっても良かったのではと思う。 オブフレッドは「受け身」とされているが、自分の発言や言葉の選び方に慎重で、かつ男性と駆け引きをして、闇市の品を手に入れたりと男性を「操縦」している印象だった。 ただオブフレッドがニックと逢瀬を重ねる展開は、娘に会いたいという気持ちも忘れてしまったようで、若干の腑に落ちなさがあった…しかし「わたしは娘の影になった」という一文から、娘に忘れられたから自分も忘れようとしているようでもあり、「からっぽ」を欲で満たそうとしているようでもある。 政府に対してレジスタンスな活動をしている(していた)モイラや母親と対比させる意味もあるのかもしれない。 続編の『請願』ではリディア小母が語りになる章があるらしく、非常に気になるところ。
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