Autoishk "灯台へ" 2026年4月1日

Autoishk
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@nunc_stans
2026年4月1日
灯台へ
灯台へ
ヴァージニア・ウルフ,
鴻巣友季子
「例の若者が政府をこきおろしている。私生活にうんざりしているときに、こういう話題にありつくとかえって気が休まるな。バンクスはそう思いつつ、若者が「現政府の作ったこのうえなくけしからん条令」とやらについて話すのを聞いた。リリーは話に耳を傾けている。ラムジー夫人も耳を傾けている。みんな彼の話を傾聴していた。とはいえ、リリーはじつはもはや飽きあきし、なにかが足りないと感じていた。バンクスもなにかが足りないと感じていた。ラムジー夫人も肩にショールを羽織りながら、なにかが足りないと感じていた。身を乗りだすようにして聴きいりながら、それぞれがこう考えていたのだ。「どうか、自分の心のうちがばれませんように」じつはだれしも、「みんなこの問題に親身になっているんだなあ。漁業に対する政府の態度に憤り、怒りに燃えているんだ。それにひきかえ、わたしはなにも感じていない」と、引け目に思っていた。」(p.169-170)
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