タレ "井伏鱒二ベスト・エッセイ" 2026年4月1日

タレ
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@miki_nike
2026年4月1日
井伏鱒二ベスト・エッセイ
斎藤真理子さんが、アトロク推薦図書まつりで「読むホットヨガ」「品のある脱力の御本家」「ゆるめ力」とパンチラインを連発されていたので。 恥ずかしながら、井伏鱒二をきちんと読んだことがなかったため、読み始めてすぐ「めちゃくちゃつげ義春(R.I.P.)っぽい!」と感じた。(順序が逆) 全体にただようなんともいえないすっとぼけ感と哀愁。 わたしが一番好きだったのは、「角帽の色(早稲田)」。親友青木南八は、毎日「おい、寝てるのか?学校に行かないか?でも君と一しょに散歩してもいいんだよ。」と起こしにくる。起きたくない井伏鱒二は枕元に原稿用紙を散らして寝たふりをする。すると、南八は「なんだ、徹夜して書いたのか。すてきだな!」と独りごとを言ってそっと帰っていく。早世した彼をなつかしむエピソードにぐっとくるのだが、井伏鱒二は死後一年もたった後で、「とんでもない。うっかりして、南八が死んでいることを忘れていた。」と彼の家を訪ねてしまう。もうすべてがおかしくて愛しくて哀しくて切ない。どのエッセイにもそんな独特な味わいがあってたまらない。
井伏鱒二ベスト・エッセイ
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