伊藤裕満 "トマス・ピンチョン全小説 ヴ..." 2026年4月1日

トマス・ピンチョン全小説 ヴァインランド
トマス・ピンチョン全小説 ヴァインランド
トマス・ピンチョン,
Thomas Pynchon,
佐藤良明
この世とあの世、過去と現在、嘘とホント、正常と異常、超能力、霊、魂、家族、性、縁、あらゆる境界が曖昧になり、語り手や時制もシームレスに移ろう。まるで宙に浮かぶ幽霊のように。 暴力的なる体制とそれに抗う反体制というわかりやすい構図を用いながら、複雑に絡みあう人間関係とそこに隠された「業」のようなもの。ヴァインランドという架空の街を、実際にあるアメリカの地方に配置して、その「場所」から物語を立ち上げている。 あまりに多くの要素が混ざり合い、口の中で今何を噛んだのか、何と何が溶け合ってこんな味がするのか、理解するまでには時間が必要なほど、不思議な味わい、読み応え。 最後のシーンはハッとさせられたし、とても美しい終わり方だった。
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