
ほどぼち
@hodobochi
2025年3月16日

燃えよ剣 上
司馬遼太郎
読み終わった
新選組を鉄の組織に育てあげた鬼の副長・土方歳三。
正直にいえば、私は土方歳三が苦手である。
国がどうこうとか、思想がどうこうとか、彼には関係ない。彼の頭には「新選組をいかに強くするか」しかない。烏合の衆を束ねるために、どこまでも規律を厳しくし、それに反したものは容赦なく罰する。彼みたいな人が、上司だったら、私は間違いなく会社に行かなくなるだろう。
それなのにどうしてだろうか。土方歳三という人物に、こんなにも惹かれ、こんなにもこの小説にハマるのは。謎である。
それはきっと、彼がどこまでも一本筋が通っているからである。時代が動こうが、人々が変わろうが、関係ない。土方が目指すのは、どこまでも「新選組を強くすること」。その一念なのである。狂気なまでに。けれどもどこまでも無邪気なのである。
悔しいけど、この小説はどこまでも面白い。下巻をはやく読みたい。

