mo "世界の適切な保存" 2026年4月12日

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@utakataroro
2026年4月12日
世界の適切な保存
本当に伝わったかどうかだなんて、わかるはずもないのに。それなのに、言ってしまう。 あなたの差し出した欠片が、わたしの中にやってきて、とどまっているということ。何かは完全にはわからないが、たしかにそれがわたしにやってきたということ。そういうときにこそ「伝わった」「わかった」とわたしたちは言ってしまう。あなたが入り込んだせいで、わたしの魂はずきずきとした痛みを感じている。 あなたとわかりあうことはできない。わたしの痛みと、あなたの痛みは違っている。共有することはできない。だが泣きたくなるようなあたたかさを感じている。あなたの何かがわたしに届いてしまったことだけがわかる。そのかぼそいあたたかさの記憶だけで、わたしたちは生き延びることができる。 ――(永井玲衣 著『世界の適切な保存』,P51)
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