世界の適切な保存

113件の記録
- m@mai-sanctuary2025年5月20日読んでるp47 ほとんどの場合、何かの思いが完全に伝わるということはない。「わかりあう」ということは不可能であると信じられている。にもかかわらず、わたしたちは思いが伝わっているはずだと思い込んだり、そもそもの不可能性を忘れてしまったりして生きている。
- t@tm_10332025年5月5日読み終わった読みながら、思考停止で過ごすことの多かった自分の生き方を振り返っていた。 わからないもの、したくないものがある。 わからないけど、自分の目で見て、考え続けていかなければと思った。
- りょう@ryozy2025年4月17日読み終わった前作の『水中の哲学者たち』につづいて読んだ。 掴めそうで掴めないものになんども手を伸ばすような文章は、著者が哲学対話を実践する人だからだろうか。 世界の適切な保存とはこういうことか、という明確な回答があるわけではない。適切に保存したいと願うこと、それをつづける先に光が見えるのかもしれない。 断言ではなく、ためらい、口ごもりながら考えつづけること。そのことの価値にあらためて気づかされる。
- nogi@mitsu_read2025年3月27日読んでる忙しくても休憩時間は必ず休むと決めているので、昼休みに読んでいる。 朝は出る前に(余裕があれば)「文化の脱走兵」をひとつ読み、昼休みはこれを読み、帰宅後の寝る前に「湯気を食べる」をひとつふたつ読む生活。どんなに脳内がてんてこまいでワーッとなっていても、本の言葉が入ると落ち着くことができる。
- 紙村綴@kamimura_tsuduru2025年3月27日読み終わったむっとするような汗のにおいがそこにあったと保存することが、歴史においてどれほど重要なのかわたしにはわからない。だが、そこにひとびとが「いた」ということを示す、まぎれもない何かであることはわかる。さらに、適切に保存されなければ、永久に失われてしまう何かである。
- ハム@unia2025年3月26日読み終わった「水中の哲学者たち」でもその問題意識が出ていたけど「世界を適切に保存」したいという想いがあるからこそこのようなまなざしが意識されるのだろうなと思う。 詩人の世界の切り取り方やそれに対する著者の思い、ありふれたなんでもないところに目を向ける心地良さが優しい気持ちにさせる。 一方で、戦禍や災禍といったままならない様子に対しても変わらないスタンスで向き合う著者の在り方に一貫した問題意識の強さを感じる。 〈ままならなさを生きることで何かを言い当てることができる。 現実は不自由さによって照り返される。〉 見ることで変えていく。不適切に保存された世界をまた見て、変えて、自分と共に生きていくその過程に適切な保存があるのかと思う。 W杯を決めたサッカーの試合後に選手たちが体を冷やさないようにベンチコートを着ていたのを見て、あの汗だくの状態で着たベンチコートのケアはどうしてるのかと気になったのだけど、 本書で余計な心配をする人のエピソードで語られていた野球の話とまんま似たものがタイムリーに自分にもあってそんな感性を持つ芸人や詩人、著者に親近感が湧いた。
- おおはま@koki_02172025年3月23日読み終わったかつて読んだ短歌や詩を、引用しながら語りかけてくれるのがとても好き。好きな詩人が共通しているからスッと入ってくる。永井さんの仰ることはわからないことがおおい。 ご本人もわからないながら、問いながら文章を書いているような、だから読んでいて一緒にわからなくなってしまう。 過ぎ去ってしまう断片をどうやって、保存していけばいいのだろう。失くしたくないものを言葉でなのか、写真でなのか、なんなのかで保存する。 適切な保存と書いてあるけれど、模索した、試行錯誤の保存の記録のような感じ。 それがとてもいい。
- umi@hontowatashi2025年3月21日読み終わった少し難しいようで、共感できることもあって、難しいから考えるのをやめてしまっていたことをまた考えるきっかけをくれたような一冊。 「届く」と「はずでした」の章が特に響いた。日常の言葉に深く考えを巡らせるとこんなにも複雑で、だけど味わい深いのか。随所にはさまれている詩もすごく良い。
- Suzuki@finto__2025年3月19日読み終わった★★★★☆ 「『また話そう』とあなたは言った。『また話しましょう』とあなたは言った。『またすぐ会おう』とあなたは言った。『また会いたい』とあなたは言った。わたしたちは、また明日も話すことを選ぶことができる。考えることを選ぶことができる。何かに呼びかけられて、巻き込まれて、そうしてまた、何かを選んでいく。世界の中で、生のただ中で、呼びかけ、呼びかけられる。こんな当たり前のことに気がつくのに十一年かかった。 ここには書かれたことと、書かれなかったことがある。そして、語られなかったこと、きかれなかったこと、まだ言葉になっていないことがある。これから語られること、これからきかれること、これから言葉になることがある。 ここに全ては書かれない。」p196
- kae@k0704d2025年3月17日見ないふりをしてきたものとか知らないままでいいと思ってきたことにも目を向けて、自分なりに向き合うことの必要性。自分にとってどの情報がどの程度必要なのかわからないけれど、きっと触れない方がいい世界なんてないような気がする。 私は、覚えておきたいことも覚えておかなければならないことも人よりも忘れてしまう。だから自分のためにも大切な人のためにも記憶を保存したいと願ってやまない。
- nogi@mitsu_read2025年3月16日積読中@ 本のすみか発売からしばらくしてサイン本がまだあるのを見て、本のすみかさんで通販した、けど、まだ読めてない。4月の読書会はこれを持っていきたいから、読み始めたい。
- ☁️@lifeisparty2025年3月7日読んでる“すごいねえ、とはしゃぐ友だちの顔、すごいねえ、とはずむ親の声。たまたま生まれてしまったわたしは、同じようにたまたま生まれてしまったあなたに、祝福されたいと思う。あなたのそうでなくてもよかったが、そうなってしまった生を、祝福したいと思う。数かぎりなき偶然性の積み重ねで形づくられる生のその中で、たった一回の表情を見たいと思う。そう、思ってしまう。”
- 白川みどり@midorishi_2025年2月17日読み終わった手のひらから抜け落ちてしまうもの、次の瞬間には忘れ去ってしまうもの。それらを、めいいっぱい感じたままに、適切に保存したいと願う。途方に暮れ、傷つきながら、それでも考え続ける。この本を開き、永井さんの言葉をなぞりながら、全く別のことに想いを馳せている瞬間が、何度もあった。それは今まで忘れていたような、誰かの言葉や、指の腹の感触や、いつかの眼差しの先にあった風景だった。そのあまりに朧げな記憶は、問いの海を漂う私とすれ違うようにして、一瞬目が合った後、また遠くへ流れていった。私は、覚えていたくて日記をはじめた。けれど書いたこと以上に書かなかったことが、確かにある。書く前に忘れてしまった何かが、きっと数え切れないほどある。適切に保存するとは、どういうことか。考えれば考えるほど分からない。けれど、それでも。
- 村崎@mrskntk2024年9月7日すごく大切な一冊になった。 世界と向き合うための哲学エッセイ……と聞くとお堅い印象を受けるかもしれないけど全然そんなことなくて、自分の生活と地続きの目線で世界を見ていて、感覚的にわかるっていう部分が多かったです。 自分と世界って、つながっているようでつながっていなくて、でも切り離すことは絶対にできなくて、でも「世界」との向かい方って本当に難しいし正解がわからない。でも、「見る」ってことをしていきたい。 具体的な正解が今すぐ出るわけじゃないけど、世界に対する恐怖が薄れるような本でした。感想書きました。
- ふるえ@furu_furu2024年8月11日読み終わった昼休みに『世界の適切な保存』の続きを読み、「はずでした」の章でなんとなく全てが報われた気がしたというか、僕は何も捨てていなかったし、あの時無くなったと思っていたものは確かにここにあって、ついてきていてと思い至って泣きそうになって、ちょうど聞いていたyutaka hirasakaの「lost melody」のせいで後を押されて泣いた。