
はぴ
@happy-reads
2026年4月2日
物語の役割
小川洋子(小説家)
読み終わった
借りてきた
@ 自宅
俳優には、技巧タイプと憑依タイプがいるらしい。小説家や芸術家も、そんな気がする。人の心の揺れ動きやパターンをうまく組み合わせるエンターテイメントとして創作された小説、物語のほうに憑依された小説。
小川洋子さんは、がっつりシャーマンタイプの作家だ。
人の落としていった記憶に触れて、観察する。日常生活の中にある物語に耳を澄ませる。言葉にならないこと、「悲しい」とか「驚いた」とか一言じゃ言い得ないようなナニカを、物語の器を使って言葉で表そうという試み。
小川洋子さんにとって小説を書くことは、「私らしさ」とか「自己表現」ではなく、自分から離れること。自分自身に埋没しないで、むしろ全く想像も予想もしなかった場所に立って世界を観察するような、そんな行為なんだな。
数行で要約できるんなら、小説にする意味はない、と言い切ってるのがかっこいいよね。本当に大事なことって、「要するに」で丸められないところにあるんだから。
ああ、これは3年前に読んだ『聞くこと、話すこと。~人が本当のことを口にするとき(尹 雄大)』だ!(後でReadsに引用メモを追記しておこう)
(フランス人作家フィリップ・ソレルス講演「小説と極限の実験」より引用)
「書くこと、文章に姿をあらわさせること、それは特権的な知識を並べることではない。それは人皆が知っていながら、誰ひとり言えずにいることを発見しようとする試みだ」
(レイモンド・カーヴァー「書くことについて」『ファイアズ(炎)』収録のエッセイより引用)
「作家にはトリックも仕掛けも必要ではない。それどころか、作家になるには、とびっきり頭の切れる人間である必要もないのだ。たとえそれが阿呆のように見えるとしても、作家というのはときにはぼうっと立ちすくんで何かにーーそれは夕日かもしれないし、あるいは古靴かもしれないーー見とれることができるようでなくてはならないのだ。頭を空っぽにして、純粋な驚きに打たれて」








