deepend "夕暮れに夜明けの歌を" 2026年4月3日

deepend
deepend
@deepend
2026年4月3日
夕暮れに夜明けの歌を
ロシア留学の悲喜交々が理知的で読みやすい文章で描かれていて、一気に読んでしまった。 体重を気にするサーカス団の子どもが著者に脂肪分0.3の低脂肪牛乳を勧めるといった細かなエピソードから、国粋主義に傾倒した青年が外国人を殺害するという事件の痛ましさに著者が泣きながら帰宅した日のことなど、まるで自分もロシアにいてそれらの出来事を目の当たりにしているかのように全てが鮮明。 芸術を志す周囲の学生達に、物珍しい東洋人である著者が創作のネタにされるという暴力的な事件にも、寒気がするくらい恐怖した。 言うまでもなくアントーノフ先生とのエピソードは特に劇的で、これから先も何度も読み返したくなると思う。 "そして言葉が心を超えないことを証明してしまうような瞬間が人生のどこかにあるからこそ、人はどうしてその瞬間が生まれたのかを少しでも伝えるために、長い長い叙述を、本を、作り出してきたのだ。" p.255
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved