ことのは "レペゼン母" 2026年4月4日

レペゼン母
まさかの嗚咽。 最初は半分コメディかな、くらいの軽い気持ちで手に取ったのに。 クソ息子が置いていった嫁とのシスターフッド的やり取りに感情がない混ぜになって視界が滲み、後半では、クソ息子と交換し合えなかったやり場のない宙ぶらりんの愛に、自分と愚息の姿を重ねた。 主人公の明子が回想する幼い息子の姿と、それへのまなざしは、間違いなく自分の中にも鮮やかに存在する。 産まれてすぐの息子を胸に抱き、世界中から祝福された気持ちになったこと。 雲ひとつない澄んだ青空を分娩台からながめて、子の幸せだけを願ったこと。 光に透けるぱやぱやの産毛がとてもきれいだったこと。 17年経った今でもありありと想い出せる。 ただただ、その存在が愛おしかったのに。 どうしてこんなにも彼を否定してしまうのか。 ここにある「心配」の矢印が、どこを向いているのかたまに分からなくなる。 親からしたら「そんなこと」で子は傷つく。 でも、親だってボロボロだよ。 本音でぶつかり合えたら、人は進める。 逆に、それが出来なければ執着してしまうのだろう。 母親という型で抜かれてしまった自分を、新しいかたちに作り替えていく、その時が来るのを楽しみにしたいと思える一冊だった。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved