
積読山脈
@book_mountain
2026年4月4日
本を読めなくなった人たち
稲田豊史
読み終わった
内容としては、今時の高校大学生相手のインタビューやSNSの投稿・出版業界関係者のインタビューを拾いつつ、本が読まれなくなった或いは人々が本を読まなくなった原因を分析していくもの。
全体を通して著者の語り口が本好きを刺すようなものにやや感じたが、それはまさにこの業界で生きてきた著者が今の時代を客観的に伝えようと努めた結果なのだと、あとがきを読んで感じた。
「不愉快なのだ。人が、人の頭で捻り出し綴った文章に、敬意とお金が払われないという状況が。怒り。それが本書執筆の原動力だった。苦しくとも、なんとか最後まで書き上げることができたのは、怒りが自分を駆り立てていたからである。」
–頁284
客観的に現状を書き記す、その中でも所々著書の思想・立場が滲む箇所が印象的だった。
「そこで、なんとか読んでもらうために「わかりやすくする」という方向に全振りする努力が払われる。実際、ある男子大学生からも「同じことが書いてあったとしても、本よりネットのほうが言葉遣いなどの点で馴染みがあるし、納得しやすい」という意見があった。ちなみに、この彼が目指している卒業後の進路は「学校の先生」である」
–頁119 第2章中「わかりやすくなければ、読まれない」
私はこれを痛烈な皮肉と受け取り、著者の想いを垣間見たと感じた。瑣末な例に過ぎないだろうが、私にはこの部分が最も印象的だった。



