
roiban
@roiban
2026年4月5日
記銘師ディンの事件録 木に殺された男
ロバート・ジャクソン・ベネット,
桐谷知未
読み終わった
最高。巨獣(リヴァイアサン)の上陸を防ぐ沿岸防壁が張り巡らされた世界で、記憶強化を受けた〈記銘師(エングレイヴァー)〉ディンが、木に体を突き破られ技官が変死した事件を捜査する。殺人ミステリーとしての面白さもさることながら、巨獣を中心に回る帝国の統治や生態系の作り込みが極上。感覚や肉体を強化する生体改変技術が巨獣に由来していたり、巨獣の死骸が異様な花が芽吹く危険地帯を作り上げていたりと、仄めかされるこの世界の成り立ちにはぞくぞくする。メインキャラクターはいずれも公務員で、間接的にせよ巨獣からの都市防衛に従事している。となると必然的に汚職捜査の色を帯びてきて、正義をなすこと、市民の平穏を守る責務についてかなりストレートに語りかけられる。シリーズはまだ続くようで今後が楽しみ。
