森
@mori16
2025年3月17日

何かの家
静月遠火
かつて読んだ
心に残る一節
@ ダ·ヴィンチストア
表紙はホラーなのに始まり方が爽やかで、ギャップに惹かれた本。
実際、ホラーというよりSFっぽいミステリーに見えた。のどかで明るいシーンの中でさらっと世界が書き換えられて、静かに衝撃を受けた。その後も何度も書き換えられて、違和感があるたび、え、どこで変わった?とページを行ったり来たりした。
おどろおどろしい恐怖ではなく、青春と足元がぐらぐらしながら進む不安定さが味わえる。ちょっと笑えるほのぼのシーンもある。
去年の夏、角川武蔵野ミュージアムに行った記念に買った。
「入道雲って、芸術品だと思うのよね」
子供の頃、誰かがそんなことを言っていた。
当時は意味がわからなかったけど、今ならその気持ちもよくわかる。
夏の空はまるで作り物みたいだ。あんなに高いところに、あんなに迫力あるもの 浮かんでいるなんて信じられない。
一章より

