みほん
@__8mkc
2026年4月5日

詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)
茨木のり子
読み終わった
色んな詩人に出会えた、詩の案内所のような一冊。
熟練された詩人たちの凝縮された言葉の濃度にいくらか戸惑ってしまうような作品もあったけれど、それを解きほぐしてくれる著者のコメントが秀逸。
今を生きる私たちと近い言葉の扱い方で、とても1926年生まれとは思えない。茨木女史、優しいひとなんだろうな。
谷川俊太郎「透明な過去の駅で 遺失物係の前に立つたら僕は余計に悲しくなつてしまった」
谷川の詩はうっとりするほど洗練されていて世界観が明確で、静か。
そしてやっぱり米津玄師が「大きく影響を受けた」と公言しているだけある。ひしひしとその影響を感じる。
一番初めに紹介されているということを差し置いても抜きん出ているなと言わざるを得ない。
高良留美子「ふたつの乳房に 静かに漲ってくるものがあるとき 私は遠くに かすかな海鳴りの音を聴く。」
新川和江「ひとつやねのしたにすめないからといって なにをかなしむひつようがありましょう」
川崎洋「むやみに はやい あれは ひどくとおくのほうを」
工藤直子「暖ったかいのだもの 散歩は したいよ ちびへびは おうちに鍵をかけて ぷらぷらでかけた」
岩田宏「おれはリイ君が好きだった リイ君おれが好きだったか」
吉野弘「生命は その中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ」
河上肇「羨む人は世になくも、 われはひとりわれを羨む」
心に残った詩は、二度目三度目に出会った時に見覚えがあるような顔をしているようになるね。
