柿内正午 "ジェンダー・トラブル 新装版" 2026年3月11日

柿内正午
柿内正午
@kakisiesta
2026年3月11日
ジェンダー・トラブル 新装版
ジェンダー・トラブル 新装版
ジュディス・バトラー,
ジュデイス・バトラー,
竹村和子
"まえもって連帯の「統一」を目標とするのにこだわる背景には、どのような代価を支払っても、団結こそが政治行動の前提条件だとみなす仮定がある。けれども統一の先物買いを必要とするこの種の政治とは、どのようなものなのか。おそらくそもそも連帯というのは、その内部の矛盾を認め、それはそのままにしながら政治行動をとるはずのものではないか。またおそらく対話による理解が引き受けなければならない事柄のひとつは、相違や亀裂や分裂や断片化を、しばしば苦痛をともなう民主化のプロセスのひとつとして受け入れることではないか。「対話」という概念そのものが文化によってまちまちであり、またこの概念は歴史的な制約も受けてきたので、対話している片方は会話が進行していると安心していても、他方は絶対にそうでないと思っているかもしれない。だから対話の可能性を条件づけ、制限づけている権力関係はどういうものかを、まずはじめに問わなければならない。さもなければ対話モデルは、語っている行為者エイジェントがみな同じ権力位置にいて、何が「同意」で、何が「統一」かについて全員が同じ前提で話をし、また実際に、「同意」や「統一」こそが達成すべき目標だと仮定するようなリベラル・モデルのなかに、逆戻りしてしまう危険性をもつことになる。(…)" ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル』竹村和子訳(青土社)p.42
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