
柿内正午
@kakisiesta
2026年3月13日
ゲンロンy 創刊号
のしりこ,
ユク・ホイ,
ゲンロンy創刊号編集委員,
ゲンロンy創刊号編集委員会,
三宅香帆,
中村拓哉,
五月女颯,
伊勢康平,
伊藤亜和,
佐々木チワワ,
吉田とらじろう,
四宮駿介,
大崎果歩,
山内萌,
布施琳太郎,
杉村一馬,
李舜志,
林凌,
栁田詩織,
森脇透青,
植田将暉,
河村賢,
石橋直樹,
福冨渉,
谷頭和希
特集1を読んで、状況論として明確な異論を出そうとは思わないけれど、やはりちいかわが流行るような状況は嫌いだなあと苦い気持ちになる。このような時代に似合いたくない。締めの福富渉「タイのキャラクターとマイペンライにまつわる覚書、2025年版」で描かれるおおらかなキャラクターの展開にあははと笑い、しかし、最後に示されるタイ国内の政情の不正と混乱への対処として今は《自分のために楽しく時間を使う時期1》であるという割り切りがあるのだとする視点にようやくこの特集の狙いが腑に落ちる感じがした。《資本や消費の文脈に回収されることが前提2》の《おとなしく、静かに、丁寧に暮らしていく3》ような態度は、どうにも物足りなく反動的に見えてしまうのだが、冷徹な現状認識と深い諦念のもとにある身のこなしなのだろう。その先に何があるとも思えないのだけれど、かといって夢も希望もないという前提に立ち、日々の「かわいい」や「メンケア」を指先で「手づくり」していくほかないであろう状況下で、ただ威勢よく反抗の身振りだけしてみせてもまったく見当違いであろう。中村拓哉のように革命への志向をベタに保持しているものが一本でもあって安心ではある。でも、まあアナクロ感は否めないし、安心している場合ではない。けっきょく暗いな。この暗さをSo it goes とばかりあっけらかんと前提に置くほかないということに戸惑い慄くという時点で、すでに僕は旧世代の側に立っているのだなと思わなくもない。でもそもそもこれまで時代に似合ってるなあと嬉しく思えたことなどないから、ずっとこうなのかもしれない。なんにせよ、こんなに節々が痛んで集中力に欠いていてもさくさく読めていい雑誌だ。
2026.03.13
