
ミオReads
@hanamio03
2026年4月6日
去られるためにそこにいる
田中茂樹
読み終わった
実家に帰ると脱いだ靴をきちんと揃える。
自宅でも脱ぎ散らかしたりはしないが、整理整頓にはほど遠く、ずさんだ。いちいち靴箱にしまうのが億劫になり、何足も並んでいたりする。それでも雑然としてるのが気になるとしまい、揃える。それぐらいの気の使い方だ。
けれど実家に帰るときちんと揃える。靴箱にしまう。これは躾ではなく「きちんと揃えてしまってないと親に怒られたり嫌味言われたり『信じられない』みたいな態度を取られて面倒だから、その災難を回避するためにやる」なのである。
面倒を回避するための整理整頓は、マジでなんの身にもなっていない。親の小言(時代が違うので小言レベルでもないやつだが…)がなんの実も結ばなかった例だな〜と読みながら思った。
けれど。
去られる覚悟、をわたしの親は双方持っていてくれた。わたしはさっさと家を出て、振り返りもしないで、先の人生だけ見ていて、二度と戻らなかったし、戻るつもりもないのだが、それを咎められたことはない。
そういう色々な親を思い出しながら、自分のためそういう親を守らずに、子供のために次世代を守っていく大人になりたいな、と改めて思った。
「靴をそろえずに、散らかった靴をピョーンと飛び越えていく子どもの姿を見ると、なぜか爽快な気分になるんですよ」
なんて清々しく、のびやかで、受容に長け、守るべきものだけ決して見落とさない揺るぎなさなんだろう、と、こういう大人になりたいと思った。
ちなみに読んだきっかけは岸田奈美さんのご推薦です。
