トロ "世界でいちばん透きとおった物..." 2026年4月6日

トロ
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@tontrochan
2026年4月6日
世界でいちばん透きとおった物語2
読み始める前は前作の仕掛けを知っているからこそ肩透かしを食らったらどうしようかと、不遜な気持ちで読み始めたんですが、読み終わると、なんて優しい物語なんだろう、と、長い溜め息が出ました。あの驚愕と納得の両立を今作も叩きつけてくる杉井光先生の執念に脱帽です。 今回もボロボロ泣いてしまいました。前作が本自体に仕掛けがあり「読む」ことに意味がある物理的な「透きとお」った物語だったとしたら、今作は登場人物の想いや隠された真実にフォーカスして、「書く」ことに重きを置いていて物語全体が「透きとお」っていたような…エモーショナルな位置づけだったのかな。高校卒業したばかりの燈真君が新人小説家として成熟しつつある姿には感慨深いものがありました。霧子さんとのやり取りもほっこりポイントの一つです。 「書く」ことに意味があると書きましたが、同時に執筆して世界(読者)に作品を届ける産みの苦しみや、物語を終わらせなければいけない葛藤や受け継ぐ重み等もひしひしと伝わってきました。物語は、時に親である著者を食い破ってこの世に生誕しようとしている。こと「ミステリ」に置いてはあらゆる場所に種を撒き、どれか萌芽したら、どのような形で育つのか著者自体も制御出来ないのかもしれないんだと。これだけ言葉を尽くして世の中に物語を紡いでくれるんですから、本当に作家さんには頭が上がりません。 前作を知ってる人には特に、胸を張ってお勧め出来ます。
世界でいちばん透きとおった物語2
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