
ジクロロ
@jirowcrew
2026年4月6日
誰でもない
ファン・ジョンウン,
斎藤真理子
読んでる
そのあとで彼女は私に、あなたはそのとき何をしていたのかと問いかけた。最後にはいつも、そう訊いた。
(『ヤンの未来』p.63)
日常を生きるということは、先にも後にも、その日常に何もつけ足さないという姿勢をいうのではないか、と読みながら考える。
自分はこの物語を読みながら、何かを付け足そうとしている。
「そのとき何をしていたのか」
その問いを想定して、日常に付け足そうとしている。
ヤンの未来は、
読者である自分が、そこに付け足したいもの
に違いない。
この弱さに気づかせるところが、
日常から離れらせようとする
言葉にならない内なる斥力と逃走心、
「そのとき何をしていたのか」、
答えられないことには答えられない、
問えるのは、「あの人は今」、それが
この物語の力強さであると思う。
