
りなっこ
@rinakko
2025年1月20日

紺青のわかれ
塚本邦雄
かつて読んだ
久しぶしに塚本作品を読んだら短篇も読み返したくなった。華麗な文章で語られる10篇は更に凄惨さを増していき、濃ゆい毒気にくらくらする。
登場する綺羅をまとった男女は概ね、人でなしな仕打ちを誰かにしているのに、何故か男たちは赦されているところが相変わらず流石だ。
そんな中で「与那国蚕は秋の贐」の美貌のモデル鳥奈の悪への振り切りっぷりが、まさに毒蛾でいっそ見事だった。
他、美しい迷宮を見出してしまった主人公の痛切さを描く「冥府燦爛」は、短い作品だけれど、離れがたい夢の儚さ(と、ルビw)が溢れていて好きだった。


