紺青のわかれ

紺青のわかれ
紺青のわかれ
塚本邦雄
河出書房新社
2022年6月7日
3件の記録
  • 文体、ストーリー、人物、小道具…小説を構成するすべてが絢爛。読むというより浸る、耽るという感覚。短編とは思えぬほど登場人物が多く関係図も複雑で、深読みするとキリがなくて、読んでも読んでも読みつくせない。 「冥府燦爛」の、生身の人間のいない冥界の地下商店街というのが今日のvaporwaveにも通じる暗いノスタルジーがあって好きだな〜。 最後の「朝顔に我は飯食ふ男哉」は、前半は3人のおじさんの秘密結社めいた日常が楽しげで、そこからどんどん愛憎劇の色が濃くなる展開が見事だった。
    紺青のわかれ
  • りなっこ
    りなっこ
    @rinakko
    2025年1月20日
    久しぶしに塚本作品を読んだら短篇も読み返したくなった。華麗な文章で語られる10篇は更に凄惨さを増していき、濃ゆい毒気にくらくらする。 登場する綺羅をまとった男女は概ね、人でなしな仕打ちを誰かにしているのに、何故か男たちは赦されているところが相変わらず流石だ。 そんな中で「与那国蚕は秋の贐」の美貌のモデル鳥奈の悪への振り切りっぷりが、まさに毒蛾でいっそ見事だった。 他、美しい迷宮を見出してしまった主人公の痛切さを描く「冥府燦爛」は、短い作品だけれど、離れがたい夢の儚さ(と、ルビw)が溢れていて好きだった。
  • memo
    @winkmoon
    2022年12月22日
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