管太
@r_f_1
2026年4月6日
杉森くんを殺すには
おさつ,
長谷川 まりる
読み終わった
非常に考えさせられる小説。傷付いた女の子の再生が描かれる。
自殺を児童文学で表現するというのは、難しいことである。それを良いバランスでやっている作品。自殺を扱うという目的があって、そこにストーリーをあわせていったのかもしれない。
今、誰もがヒロになりうるし、誰もがミトさんや良子さんになりうる。親友を失うかもしれないし、近くに親友を失った人が現れるかもしれない。その時、仮に大人でも正しい対応ができるかわからない。そもそも何が正しいのかもわからない。そんな時こそ、この小説を読む価値がある。
大事な友達を自分のエゴで遠ざける、というのは、どこかそんなことがあったと思う人も多いのではないだろうか。そんな児童たちにも刺さりうる。
杉森くんを失ったヒロが、だんだんと社会性を取り戻し、成長していく話。今の児童にも読みやすい文体ながら、技巧的に作られている作品。文体のためもあり、どんな小説を求めていたとしても、どんな児童が手に取っても、何が得るものがありそうな小説。
矢口くんとの恋や、急な用語説明などはやや無理やりか。これは児童文学としての宿命なのかもしれないが、一般論に落ち着く感じはした。それがよいのかもしれないが。

