
汐見
@siomi250927
2026年4月6日
ある一生
ローベルト・ゼーターラー,
浅井晶子
読み終わった
ものすごく良かった。これは生涯通して読み返す本。
ひとりの人間の一生。三人称一元視点で、寡黙な主人公の歩みを後ろから付き添うように読む。自分にできることを黙々と行う、無骨で実直な人物。
読み手としては主人公が見るものの描写によって、自然に対する感性、繊細さや情熱を持つ人物だとだんだん知っていく。この描写が文章としても静かな美しさがありグッときた。彼が生涯のほとんどを過ごしたアルプスの山、葬列の人々の肩を流れる雨、老いてふとまじまじと眺める自分の手、など。
本の中の村人たちには見えない彼の一面に触れたような気になる。実生活でもこうしてみんな見かけ以上にいろんなことを考え感じながら生きているのだと、当たり前だけど忘れがちなことを再確認したりもした。





