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汐見
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@siomi250927
ゆるっと記録
  • 2026年2月22日
    永い言い訳
    永い言い訳
    audibleにて。 白でも黒でもない、人の微妙な内面を描くとても良い文章だった。これは紙の本で手元にも置いておきたい。 問題から目を逸らして自己弁護する男性の視点と、周囲の俯瞰する人々の視点が均等に書かれるので、感情移入しすぎることなく読める。この男性を好きになるわけではないけど、この本での人間の不完全さの書き方が好き。
  • 2026年2月21日
    無数の言語、無数の世界
    無数の言語、無数の世界
    アマゾン奥地など少数民族の言語のフィールドワークも踏まえて、いろいろな観点について世界の言語の違いが解説される。 過去と未来の前後関係、方向や親族の表現の仕方、色の分け方、等々。なぜ言語はここまで異なるのか。環境や文化により語彙や概念、表現の仕方が異なると推測される。 世界中の言語学者が、いろいろな分野の専門家と協力して、様々な言語について調べたり実験を行うことで言語の形成や認知の解明に一歩ずつ近づこうとしていることが分かった。 自分たちが当たり前だと思っている言葉や感覚がいかに「絶対のもの」ではないかが面白い。 著者は『ピダハン』の著者の息子さんとのことでびっくり。
  • 2026年2月18日
    BOXBOXBOXBOX
    BOXBOXBOXBOX
    芥川賞候補作ということで手に取った本。 読みにくいのだけど好きな読みにくさ。面白かった! これがデビュー作かー。書く側も世に出した側もすごい。 薄霧の立ち込める宅配所。レーンに流れてくる大量の荷物を仕分ける作業場。そこで働く4人の人物の視点がころころと移り変わる。前半ではそこに引っかかりを感じて少し読み直させられ、その分物語に入り込み、後半では疾走感に繋がっていく。 いずれも非正規雇用の不安定な立場。毎日淡々と作業を続ける閉塞感、アルバイトをまとめる立場の派遣社員の過労。霧の中のどんよりとした日常に生じた綻びをきっかけに、物語がどんどん回り始める。 崩壊と(一応の)再生。 箱を仕分ける人間たちも大きな箱の中に閉じ込められている感覚。性別や外見に関する直接的な描写が乏しく、人間性の失われる環境を表しているように感じた。
  • 2026年2月18日
    世界自炊紀行
    世界自炊紀行
    以前読書会で紹介されていて気になった本。 著者は自炊料理家とのこと。 世界12カ国につき2家庭ずつ、自炊料理の行程、インタビュー。なぜ自炊をするのか、男女の自炊の役割について、など。 出てくるたくさんの料理は、明確な分量は無いけど材料と手順が書かれているので、料理好きな人はアイデアを真似したくなりそう。 個人的には料理は好きなので楽しく読んだ。好きだけど面倒な日ももちろんある。料理に集中している時のリセット感、あくまで負担にならないように自炊すること、毎日違うメニューを作らなくても良い、など共感が多かった。 食材や文化によるそれぞれの国の違いも面白いし、その分どの国の家庭にも共通している点が興味深かった。 自分自身、家族のために作るとなるとまた変わりそうだけど、料理にプレッシャーを感じている人はこの本を読むと少し気持ちが楽になるかも。プレッシャーを与えている(無自覚にせよ)側も読むべきかもしれないけど。
  • 2026年2月16日
    希望の名画
    希望の名画
    中野京子さんの美術解説本。 一つの絵画につき、2〜3ページのサクッとした解説。 絵画はフルカラー。新書ながら印刷が綺麗で素晴らしい。絵をじっくり眺めて楽しかった。多分印刷会社(TOPPAN クロレ)がすごい。 これまで一度もロシア国内の美術館から貸し出されたことのないという、シーシキンの「松林の朝」が絵として1番印象的だった。シーシキンの画集探してみよう。 他、ウォーターハウス「パンドラ」、クラムスコイ「月明かりの夜」、ダッド「お伽の樵の入神の一撃」、ワッツ「希望」など(自分用メモ)。
  • 2026年2月16日
    小説の読み方
    小説の読み方
    前作『本の読み方』に続いて読了。 今回の方が実践編(実在の小説の一部が掲載され、小説としての構造などについて平野さんの解説が続く)多め。 個人的には前作の方が面白く読んだ。いずれにせよ、平野さんの小説の読み解きはすごい。もしも自分が小説家だったら読まれることに1番緊張するのが平野さんだろうなーと思っている。 冒頭から、たまたま先日読んだ岡ノ谷一夫さんの名前が出てきてびっくり。岡ノ谷さんが著作で紹介した、動物行動学者・ティンバーゲンが提唱する"動物行動学の基本となる「四つの質問」"を小説にも当てはめてみよう、というもの。 メカニズム、発達、機能、心理。 以下は印象に残った平野さんの文章の一部抜粋。 p.214 「書いて書いて書き続けた挙げ句に、取れるものがみんな取れてしまって、ただ文章だけが残った文章というのが、小説家の理想ではないだろうか。」 p.265 「自分なりの読書の感想とは、しばしば孤独だが、この世界には必ずどこかに、同じ感想を持った人がいるもので、その出会いの喜びは、何にも代え難いものである。」 p.305 「主人公とは凡そかけ離れた境遇だとしても、ちょっとした心の動き、態度を通じて自分の感情を仮託することができるのが小説であり、その人を経由してもう一度自分に回帰するという、回路を体験できるのが小説なのである。」
  • 2026年2月12日
    アヘン王国潜入記
    「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろく書く」というのが約二十年変わらない著者のスタンスとのこと(文庫版あとがきより)。 表紙ではこのタイトルと、ケシの花畑で銃を担ぎ笑顔の青年たち。まさにこの人にしか書けない本。 1995年10月に始まる約7ヶ月、ミャンマー北部、反政府ゲリラの支配区「ワ州」に滞在した記録。 ケシの栽培、アヘンの採取を自ら体験することを目的の一つとしつつ、現地の人々との人間味溢れる交流が本書と切り離せない。 それがアヘンになるということを除けば、そこで生活する人々は田舎の気の良い農家といった風情。 アヘンを作る人々=必ずしも悪ではなく、土地柄や上層部の利権などいろいろな背景がある。現金収入の手段としてのアヘンをいきなり捨てることは困難な現実。それを体感して著者が上申した、アヘンではなくモルヒネの産地にしようという提案書は、当時のワ州に対して最大限できることだったように思う。 知らないことを知ることができ、おもしろくもほろ苦い、読んで良かった本。
  • 2026年2月9日
    装いの翼 おしゃれと表現と
    絵本画家・いわさきちひろ、詩人・茨木のり子、美術作家・岡上淑子。 3人の女性の共通点は10代~20代で第二次世界大戦を経験したこと。戦後に表現者として活躍したこと。当時としては裕福に近い文化的な環境で育ったこと。など。 京都新聞の記者である著者が、彼女たちの人生を服の装いを中心としてまとめた本。 既製品の服が大量生産される前の時代。戦時中は布を制限したモンペなどの服が推奨され、戦後は洋裁を学び自ら働くことを目指す女性も増える中で、本書の3人も自分で作った服を着たりこだわりの布を選んだりして、その時々でできるだけファッションを楽しんでいた。 伝記ものは経歴や足取りを追うだけではなく、その人の趣味や衣食住について知ることが面白く感じる。 この本では、目まぐるしく移り変わる世の中での、「衣」についてのこだわりや好みを辿ることで、人となりが少し見え、相手を身近に感じられる気がした。 恵まれた環境で育った女性たちではあるけれど、地に足をつけて作品を生み出すことは誰にでもできることではない。 どのような環境でも美を見出すことはでき、それを受け止めるかどうかは本人次第。 つらい時代にこそ、自らの好きなものを忘れないことがきっと大事。 個人的には、岡上淑子さんのコラージュ作品を本書で知り、作品集を見たくなった。茨木のり子さんの詩も。
  • 2026年2月9日
    駅から徒歩138億年
    「138」という数字に見覚えがありますか? あるとしたらそれは宇宙の年齢(約138億年)、もしくは多摩川の全長(138km)かもしれません。 本書では著者が多摩川の河口から源流へと日を分けて歩いた記録と並行して、過去の記憶や旅にまつわる10編のエッセイが綴られる。 相変わらず自由な発想力と行動力。人生は真剣に遊ぶからこそ面白いのだと思わせられる。
  • 2026年2月5日
    人間の心が分からなかった俺が、動物心理学者になるまで
    動物心理学者の著者による青春記。現在60代半ばの著者が、30代半ばくらいまでの道のりを振り返る。 慶応義塾大学文学部卒業後、米国メリーランド大学大学院で博士号取得という経歴も面白い。読んでいると、動物心理学とは文系か理系かという問いは野暮に思える。 著者自身が学生であった頃のエピソードもクスっと笑いつつ当時の雰囲気に浸れるし、5年間のポスドクを経て30代半ばで千葉大学の助教授になってからの学生との関わり方が、その空間まるごと含めてまさに青春ですごく良いなあと思った。
  • 2026年2月5日
    ロッコク・キッチン
    国道6号線、通称「ロッコク」。東日本大震災、福島第一原発事故から14年経ち、そこで今生活する人々が何を食べているのかを中心に取材した記録。 避難先から帰ってきた人はもちろん、震災後に住み始めた人もいる。 涙を誘うような美談ではなく、当地の人の淡々とした言葉や生活が書かれているのが良かった。その上で、心の中には複雑で多様な思いがあるのだろうなということも伝わる。その内容を勝手に推測すべきではないし、一方で相手が話したいと思った時はしっかりと受け止めなければならない。 元々は募集したエッセイが載っている方の『ロッコク・キッチン』が読みたかったので、そちらは別途購入予定。(本書は全編川内有緒さんの文章)
  • 2026年2月5日
    神の光
    神の光
    ミステリー5編。いずれも消失劇という珍しい作品群。 あったはずの建物や街が一晩で消える。あるいは目の前からふっと消えてしまう。 その謎に各話の語り手とともに解き明かす。 荒唐無稽と忌避してしまうには惜しい、この本独自の面白さがあった。全体的に少し古風な世界に引き込んでくれる。 それぞれの話を読み切るのにそれほど時間はかからないので、1話読んで一息ついて、という読書にちょうど良い。
  • 2026年1月30日
    ようやくカレッジに行きまして
    audibleにて。光浦靖子さんのカナダ留学エッセイ、2年目以降。 カナダで働くため、公立カレッジのシェフ養成コースに入学。 今回は料理人の世界の厳しさが中心。大変さが切実に伝わる。生徒や教師の個性的な面々。光浦さんはすごく繊細な人だと思うけど、英語の細かいニュアンスが分からない、またこちらからも伝えられない分、良い意味で細かいことを気にせず率直になり、大雑把さを得ていくのが面白い。 「なぜなら私は生きるのがすごく楽になりましたし、努力はしてなくても、前の私より今の私の方が面白いですからね。ふてぶてしいですから。だって、ふてぶてしい人って面白いじゃないですか。」
  • 2026年1月30日
    ようやくカナダに行きまして
    audibleにて。光浦靖子さん自身の朗読。 カナダへの留学エッセイ。2021年7月に始まる一年目の記録。 ネイティブの聞き取りにくい英語、PC操作も苦手という中で、PCR検査などもあり序盤からてんやわんや。 50歳で日本から飛び出した光浦さんのカナダでのさまざまな体験が、酸いも甘いも新鮮な目を通して語られる。 語学学校やその外で出会う人々。接する中でだんだん「こういう人なんだ」と第一印象が変わることも多い。 海外最高!という感じではなく、日本とのギャップや、日本と同じようなことで落ち込むこともある。一方で、新しい価値観を得たり自由な感覚を味わったり。 どこに行っても完璧な場所はなくて、自分がどう生きていくか次第。それでも異国で新しいことを始めようという挑戦はやっぱりすごいなあと思う。
  • 2026年1月26日
    神さまのビオトープ (講談社タイガ)
    自分にしか見えない、夫の幽霊と会話を交わしながら暮らす主人公。彼女の視点で、周囲の人々の愛情にまつわるひっそりとした物語が紡がれていく。 それらは声を大にしては言えないものであったり、「一般的」ではないものであったり。幸せになってほしいと願う登場人物もいれば、今後が心配な人物もいる。 凪良ゆうさんらしい、社会から受け入れられにくい、歪な関係だと捉えられる人々の心情が丁寧に書かれた作品。 きっとこの本には書ききれないほどの様々な生きづらさが現実にはあるのだと思う。
  • 2026年1月26日
    弱いロボット
    弱いロボット
    人の手を借りることを前提としたロボットの理念や開発過程。 ロボットというと目的達成をゴールに据えて、極力ミスの少なさを求めて設計されるイメージがあるけど、本書のようなロボットも良いものだと思った。 ロボットを創り出す以上、何のために存在するのかを問う声も理解できるけど、弱いロボットには思いもよらない人の可能性を引き出す期待も生まれる。 弱いロボットが受け入れられる世界は既に優しいのか、弱いロボットが優しい世界を作るのか。 今読むと、某ファミレスの配膳ロボは本書の「弱いロボット」に分類されるのではと思う。且つ、社会に適合して働いている例ではないかと。 あの配膳ロボのことを考えると、弱いロボットは世界を優しくすることに効果があるように思う。
  • 2026年1月26日
    森崎書店の日々 (小学館文庫)
    とても読後感の良い小説。舞台は神保町。日々を生きる人々とその成長、そこにそっと寄り添う古書たち。 読んでいる間からずっと、主人公・貴子の視点による軽快な語りや会話が心地よい。等身大の虚無感や悩みも含めて爽やかさがある。 そんな中でふと静かな時間が生まれ、心に沁み入る文章があったりする。 本に詳しいか詳しくないかより、一冊の本と出会ってどれだけ心を動かされるかが大事。という一節があり、本当にそう思う。 今の時代に読むからなのか出版当時もそうだったのか、ノスタルジーも感じた。
  • 2026年1月23日
    僕たちは言葉について何も知らない
    言語哲学者、小野純一さんの一般書デビュー本とのこと。最後まで読んで、言語を俯瞰しつつ人間の生き方について思いを馳せるような本、なのかなと感じた。 メモしておきたくなる詩的で美しい文章が多かった。心の持ちようとしても参考になる。 本としては、内容がちょっとふわふわしているように感じて文章量に対して読むのに時間がかかった。タイトルから想定する本とも違ったからかも。これは最近言語学の一般書が増えて来ているので、本書も言語学要素が強いものだと自分が勘違いしたのが原因。 孤独ついて、「ソリチュード(孤独)」と「ロンリネス(孤独感)」の2種類で表現でき、「ソリチュード」の側面、例えば「自分だけをケアする時間」を大事にする、ということにとても共感できた。 「月がきれいですね」に関する解説も面白かった。 一冊としては読み終わって首を傾げたけど、断片的には得ることが多かった。よく分からなかった分また読み返したくなる本ではある。今後の著作にも期待。
  • 2026年1月22日
    学ぶとは 数学と歴史学の対話
    数学者、伊原康隆さんと歴史学者、藤原辰史さんの毎月一往復、1年間の書簡集。 文理それぞれの専門家が、互いの知と他分野への好奇心をもって学問と人間について、言語や数学、歴史に音楽など多様な観点から論じ合う。 考察に対する反論や指摘は人格否定ではない。そのことをきちんと知っている2人が、重なり合ったり少しズレたりしている互いの考えを受け止めつつ混ぜ返して、思索を深めていく様がとても面白い。 それぞれの書くことも知的好奇心を刺激されるし、2人の関係が清々しい書簡集だと思った。 「習」と「探」と「能」。 「しなくてはならない」と「したい」と「できる」。 duty, volunteer, potential. 「探」つまり「探究」、それも抑圧されず自由な心による探究を大事にすること。
  • 2026年1月21日
    ハウスメイド
    ハウスメイド
    海外サスペンス小説。 海外小説によくある登場人物一覧に名を連ねるのは5名のみ。少なさが新鮮。 裕福な一家の住み込みメイドになった主人公と、一家の主人、妻、幼い娘、イタリア人庭師。 秘密を隠しているのは誰か。信頼して良いのは誰か。 後半から一気に面白くなるタイプの小説。 ラストが映画のような終わり方。
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