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汐見
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@siomi250927
ゆるっと記録
  • 2025年10月9日
    #東京アパート
    東京のアパートにまつわる様々な人を書いた短編集。ショートショートかも。 現実と非現実の境界が曖昧な世界観、とても好き。比喩や言葉選びも読んでいて幸せなくらい良かった。 静かで穏やかな空気が全体に共通しながら、一つ一つの話に違った味わいがある。 自分にとって2025年ベストの一冊に入ると思う。 p.167 「図書室に逃げ、本の背中を端から順に読んだ。図書室の静けさが心地良く、皆から離れて一人になる時間がまた好ましかった。 とはいえ、図書室を好んでいたのは、そこに声にならない声を隠し持った「本」が並んでいたからで、本はいつでも友人の代わりだった。あるいは、行きつけの店のようなもので、ページを開けば、本の中の誰かや語り手と静かな時間を共有できた。」 p.300 「手紙というのは、いちばん短い小説のような、詩のような、あるいは、それよりずっといいものが手書きで書かれた紙の束のことだ。」
  • 2025年10月6日
    あなたの四月を知らないから
    デビュー作らしい。 丁寧な文章。とても読みやすかった。 全体的にうっすら切ない。でもふんわりとした優しい明るさも感じる。 「現代」を生きる人を書いているなあと思った。 読み終えたこの気持ちを言語化できないけど、この人の次回作も読みたい。
  • 2025年10月6日
    ある翻訳家の取り憑かれた日常
    翻訳家/エッセイスト・村井理子さんの日記。 翻訳の進捗、家族について(主に双子の息子さん、それから義父義母など)、ハリー(犬)のことなど。2023年、ほぼ毎日。 序盤はとにかく忙しそう、という印象。 少しずつ読み進めて7月8月あたりになってくると、もはや村井さんが他人ではないような存在に感じられるのが面白かった。 10月に良いなと思う文章が多く、12月は1年間お疲れ様でした、という気持ちになった。 そして、2024年版(『ある翻訳家の取り憑かれた日常2』)も積まれている。物語と違い、日々は続く。読むかー。 日記に出てくる海外文学で気になるものもあったりして、読みたい本がどんどん増える。
  • 2025年10月5日
    ひみつのしつもん
    翻訳家・岸本佐知子さんのエッセイ。 もうとてつもなく面白かった。funnyな意味で面白い、それ以上でも以下でもない。意味とか教訓とかたぶんない。やけに頭に残る話はある。 不思議な世界への入り口がたくさん並んでいて、その玄関先から漏れてくる香りに次々に触れさせてもらった感じ。 電車でにやけが止まらなくて本で顔を隠しつつ読んだ。 とめどない妄想それ自体が面白いのに、しっかりした文章で真面目に書かれてるシュールさが完全にハマった。 こんなに楽しいものが文庫版800円弱で買えて、軽くて持ち運びもしやすいというのは最高だなと思った。合わない人も(もちろんどんな本でもそうであるように)いるみたいなので、責任は取れないけど激推しです。 絶妙な挿絵もとても好き。イラスト、装丁がクラフト・エヴィング商會さんだそうです。
  • 2025年10月3日
    パンドラブレイン 亜魂島殺人(格)事件
    孤島密室ミステリ(SF要素あり)。ビターな青春も。 謎解きとかSFぽい仕掛けも面白かったけど、感情の揺らぎが印象的だった。 するする読める文章。設定の濃さに対する展開のあっさり感がもったいないくらい。倍の文量で書き込まれたバージョンを読みたいかも。
  • 2025年10月2日
    日本語からの祝福、日本語への祝福
    日本語で小説を書き、芥川賞も受賞した台湾出身の著者のエッセイ。 日本語を学んだ日々、日本語と台湾語・中国語との比較、台湾生まれであることで受けた経験、など。 言語学的な解説に漢字文化圏出身だからこその視点があり、とても面白かった。 ものすごい努力の人。日本語を学ぶという真っ直ぐな意思が貫き通されて今の李さんと文学作品があるのだなあと思った。 日本語や日本への盲信的な礼賛ではなく冷静な意見も持ちつつ、いろんな側面を含めて「自ら選んだ」ものへの愛とそんな自分への誇りを感じる。 ひらがなの中にいる大きな魚、小さな魚、の話大好き。
  • 2025年9月30日
    氷柱の声
    氷柱の声
    読書会で紹介してもらった本。audibleにて。 くどうさん自身の言葉で綴られる後書きも本編と同じくらい良かった。 震災やコロナのような大きな渦に巻き込まれながら生きること。渦の中心でなくても心が泡立つことはもちろんある。 災禍そのものだけでなく、決まった言動を期待されたり、個人的なことを勝手に推測されたり。やるせなさを抱えながら地に足をつけて生きている市井の人々を尊敬する。 きっと今後も個々では抗えないものに対して、社会の一部になることを求められる場面はあるのだろうなと。それでも、一人一人の気持ちがなくなることは決してないわけで。せめて目の前の人の内面をちゃんと見ようとすることを忘れずにいたいと思った。
  • 2025年9月30日
    死ぬまで生きる日記
    著者とカウンセラーの対話の記録。読んで良かった、というのがまず1番の感想。 「はじめに」を読んで、あ、この人の言語化表現好きだ、と思った。素朴で飾らない文章。こんなにプライベートなことを読ませてもらって良いのかなという気持ちで読み進めた。 行きつ戻りつではありながらも着実に前向きな変化をする土門さんを通じて、こちらも勇気をもらえる。 土門さんと同じ悩みでないとしても、気持ちの落ち込みを抱えた時、誰かと距離が離れて不安を感じる時に、この本の内容が『お守り』のひとつになるのではと思った。
  • 2025年9月27日
    いつかたこぶねになる日
    漢詩とエッセイ。 日常の(というか小津さんの少し変わった)世界と漢詩の繋げ方が絶妙。 人生を詠った詩を読んでいると、ここに全てが詰まっていて、長編小説はこういったことに文章を肉付けしたものなのかもと思ったりした。 重厚に見える漢詩がひたすらにご飯のおいしさを語ってたりするのも良い。 文章は優しいけど内容が結構哲学的。一日一編(長くても10ページくらい)、じっくり読むのが合ってた。
  • 2025年9月27日
    ふたりの窓の外
    アプリ登録記念に。2024年読了ベストの一冊。 情景の書き方が透き通るような美しさ。夏の章、じんわり暑い竹林の登り道やおばあちゃんとの会話がずっと心に残っている。 友人でも恋人でもない主人公二人が、不器用でも精一杯の気持ちで収着したところと、その先に続く道を祝福したい。
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