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汐見
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@siomi250927
ゆるっと記録
  • 2025年11月25日
    殺し屋の営業術
    江戸川乱歩賞をほぼ満場一致で受賞したとのことで、楽しみにしてた本。最終候補五作の選評付き。 「営業」を極めたサラリーマンがいろいろあって殺し屋の営業マンになるという、コメディになりそうなあらすじだけど実際は血生臭くてシリアスな描写も多い。ノルマ達成のために笑顔も作るし命も奪う、狂気を見せられる。ラストが鮮やか。 小説として自分にすごく刺さった訳ではないけど、エンタメ作品として楽しんだ。 映像化しても面白そうだし、その時は配役が楽しみ。
  • 2025年11月22日
    さよならジャバウォック
    エンタメ小説として、面白かった。 伊坂さんならでは感も含めて楽しめる。 個性的なキャラや軽妙な会話、伏線回収、家族愛、小説を通して語られる思想など。 個人的には、いくつかある伊坂さんの好きな本を超えはしなかった。読んだ時の衝撃具合とか。捻くれた感想だけど、本作の面白さでもそう感じてしまうのだからやっぱりすごい小説家だよなあと思った。
  • 2025年11月20日
    百年文通
    百年文通
    時間SF。現代と大正時代の、女学生同士の文通。 ライトに読める。
  • 2025年11月19日
    コンビニ人間
    コンビニ人間
    audibleにて。 おお……!聴きながらなかなか苦しいものがあった。軽いホラーよりも恐怖を感じた。 今時こんなに職業や恋愛について「普通」を強要されるかな?とも思ったけど、SNS等不特定多数の場では寛容な言葉が多くても、身近な相手には特定の価値観に当てはめようとすることが確かにあるのかもしれない。 人には人の幸せがある。コンビニで働くことが好きな人、いてくれてすごく助かるのだけど。バイトという立場があれなのかな。 別に周りの言うことを気にしなくても良いのでは、と思っていた分、主人公の中盤の選択に「えっ!?それはやめた方が……!」となった。本当に嫌な男性が出てくる。 いやでも冒頭で示された主人公の幼少期からの危うさが抑圧されてのコンビニ人間っていう歪みがずっと前からすでにあったのかな。歪みであり、社会的な落とし所でもあり。どうしても必要な「普通」(暴力を振るわないとか)もあるから難しいところではある。 いろんな感想が湧いてくる。数年前の本ではあるけど、読書会の課題図書に向いてそう?だと感じた。
  • 2025年11月17日
    なぜ「あしか汁」のことを話してはいけないのか
    モキュメンタリーホラー。 大叔父の遺した日記に書かれていた謎の言葉。真相を追ううちに、その言葉を聞いた人が次々と……的な。 ホラーが得意というわけではないけど、これはいい感じにぞわぞわした。事件記事や著者の淡々とした語りで謎に迫るので、ホラー的な怖さは終盤まで薄めかも。 不気味で不穏な空気はずっと漂っている。 なぜか真夜中に読み始めてしまったのは後悔したけど、日中に回さず深夜に読み終えるくらいには読みやすい&続きが気になる展開だった。
  • 2025年11月16日
    東大理三の悪魔
    東大理三の悪魔
    『東大理三の悪魔』『東大病院の天使』収録。 いやーすごい小説だ。展開される論理はかなり理系(物理・数学など)で、理解できてない部分が多々あるけど、それに付随するストーリーは面白かったし知的なものに触れさせてもらった気持ちよさがある。 こんなに「万人受けのため」には書かれてなさそうな、ある意味純粋な小説が、kindleで自費出版からの好評を得て加筆・書籍で出版されたのがすごいと思う。12月に文庫版も出るらしい。 難解ながら、読書好きな人に響く物語としての面白さがあるのかなと思う。
  • 2025年11月12日
    傷の声
    傷の声
    自傷行為・精神科への入院を繰り返す、複雑性PTSDと診断された著者の自叙伝。 平易な語り口だけど、内容は苦しいものがある。研ぎ澄まされた文章。向き合って読むのには覚悟が必要で、共感性の高い人は気をつけた方が良いかも。 著者自身が看護師として医療の道に進んだこともあり、患者側、看護側の両方の視点がある。 心の傷は、本当に癒すのが難しい。深い傷であればあるほど、おそらく完全に治すことは不可能なほどに。周りに傷ついた人がいた時、どんな言葉をかけて、何ができるのだろうか。自分がいつか深く傷つけられたら、どうやって生きていくのだろうか、など。 家族との対話のパートでは、人は人と関わって生きていかざるを得なくて、尚且つ他人の考えや経験、記憶を完全に共有することはできない。そこに生じる苦しみについても考えたりした。 安易におすすめはできないのだけど、多くの人に読んでほしいなとも思う。 p.290 "一秒でも早い手当てのために、この本を読んでくださった周囲の人達が些細な異変や微かなSOS に敏感になってくれたら。 世界中にごまんといる被害者たちの話をしているのではない。あなたの目の前にいるかもしれないたった一人のたった一秒の話をしている。" このような思いで自身の体験を書いてくれた著者のことを、彼女自身の自己肯定感がどうであろうと私には優しく聡明な人としか思えない。こんな言葉は助けにならないとしても。 解説も良かった。
  • 2025年11月10日
    天才望遠鏡
    〈天才〉と呼ばれる人を観測する人々。の連作短編集。 限られた時間の煌めきを記録すること、燃え尽きた人の側に寄り添うこと、手を引いて背中を押して人生を変える舞台に立たせること、など。 文字数的にはさらっと読める。 どの話にもそれぞれに良さを感じたけど、最後の話が圧倒的に好きだったなあ。偏屈な売れっ子小説家が、彼の唯一の友人であった中堅作家を弔う話。 強い光を放つ星だけが星なのではない。
  • 2025年11月9日
    サクリファイス
    ロードレースが題材。プロのスポーツものであり、青春、ミステリー要素もある。 読みやすくてほぼ一気読み。後半の展開は衝撃的だった。喪失感。最後まで読み終えたら再読したくなる。 レースの描写は程よく臨場感があった。主人公の割り切りの良い性格はちょっと人間離れしてる気もするけど、好感が持てる。 タイトルの『サクリファイス』。犠牲、生贄。どうしてそこまでと思うほどの身の捧げ方を、そこに至るまでの人となりの描写でギリギリ納得させてくるのが上手いなあと思った。 シリーズ化されていることを失念していた。続きも読みたい。読みたい本がまた増えた……。
  • 2025年11月7日
    反転領域
    反転領域
    SF小説。 中盤以降、「あ、そういう系の話なのか」「え、そういうこと!?」「ん!?あ、そうだったのか〜!」「おお……!」「わぁ〜」 というのが読み終わるまでの脳内。 これは新しいSF小説だ。嬉しい。この作品、十年後二十年後とかにも名作として数えられてそう。
  • 2025年11月5日
    町長選挙
    町長選挙
    audibleにて。以前にも読んだことのある『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』と続けて聴いた。 心因性の悩みを抱えて診察に訪れた患者が、マイペースで破天荒、幼稚で怖いもの知らずな精神科医・伊良部先生に振り回されるうちに、気がついたら前向きになっている。その過程が面白い。看護師のマユミちゃんも良いキャラ。 伊良部先生ほど極端でなくても、もっと肩の力を抜いて生きて良いと思える。時々核心をつくことを言うのもこの人をにくめない理由の一つなんだろうな。疲れた時に読みたい。 近所の病院に伊良部先生がいたら楽しいだろうな〜と思う。遠巻きに見ていたい。 『コメンテーター』も読むのが楽しみ。
  • 2025年11月3日
    今日未明
    今日未明
    5つの短編集。各話の冒頭で、もう起きてしまった事件や事故などの概要が三面記事風に数行提示される。それから、そこに至るまでに何が起きていたのかを読んでいく。 他人事である限り気に留めることのない出来事、或いは単純に過失者を批判しそうになる事件の裏側には、思いもよらない真相がある。あまり書くとネタバレになりそうだけど、ぞわぞわしながら面白く読んだ。プロローグとエピローグがまた良い味で。 最終話だけ少し違うけど、大体は人怖、イヤミス系。
  • 2025年11月1日
    星々の悲しみ
    短編集。 表題作良かった!青春。
  • 2025年10月30日
    エレベーターのボタンを全部押さないでください
    ノンフィクション作家・川内有緒さんのエッセイ集。 読んで良かった!最高の読後感。 有緒さんの好奇心の強さと、「面白い人/ものを受け入れる」懐の大きさに、周りにこんなにも愉快な人たちが集まるのかなと思った。楽しみながら自分の周囲を俯瞰して見ることができて、こんなに良い文章で書けるのがすごい。それが生業とはいえ。 早足で歩いて心拍数を上げてからの口述筆記、見習いたい。 破天荒な人々とその言動に笑わせられたり、想像もつかないような話が飛び出して半信半疑になりつつワクワクしたり、人生にまつわる話にしんみりと考えさせられたり。 夢中になって読んだ。お勧めです! p.2 エレベーターのボタンは全部押さないほうがいいのか? そりゃあ、押さないほうがいいでしょ、と思うけれど、本当にそうなのか。思い切って全部押してみたら、どこかの階のドアが開いた瞬間、目の前に城が現れるかもしれないし。 (↑「はじめに」のこの文を読んで、書名はこういう意味合いなのか〜いいなぁと思っていたら、エッセイ中に出てきたエレベーターボタン全押しにまつわる話はだいぶ過激ですごく印象に残った) p.163 繰り返される毎日。喜んだり、途方に暮れたり、えっと思ったり。同じようでどこか違う日々。以前パリに住む友人が贈ってくれた「日常は平凡という意味ではない」という言葉は、真実なんだと思う。
  • 2025年10月29日
    幻想と怪奇 幻影の街 ショートショート・カーニヴァル
    ショートショート集。アンソロジー。 前に読んだ『幻想と怪奇 不思議な本棚 ショートショート・カーニヴァル』に、おお〜と思う好きな作品が多かったのでこちらも読了。 好きな作家さんなので贔屓目かもしれないけど、伴名練さんの『神保町書店探訪記』面白かった。 澁澤まことさんの『花をもとめて』も。
  • 2025年10月28日
    村田エフェンディ滞土録
    知人に紹介して読んでもらっているので自分も再読。 この本は、自分にとっての「今までに読んだ全ての本の中で一冊選ぶとしたら」。10年くらい前に読んでからずっと。 初読で涙が滲んだことをよく覚えているし、再読するたびに改めて好きになる。 異国情緒と思索に満ちた本。ユーモアもある。 不思議なタイトルだと思うけど、「エフェンディ」とはトルコ語で主に学者など学問を収めた尊敬される人につける敬称らしい。考古学者・村田青年のトルコ滞在記。 19世紀末のトルコにて、英国夫人の下宿で暮らす日本、ドイツ、ギリシャの青年学者たちと、同年代の使用人のトルコ人。若者たちの対話と友情。歴史・宗教的に一致しない部分が多々ありながらも一先ずの折り合いをつけるさまに優しい知性がある。 そして絶妙な合いの手を入れる不思議な鸚鵡。 歴史と地続きで生きること、自分を保ちながら相手を受け入れること、戦争の虚しさ、など。 亡霊や神秘的な存在がやんわりと受け入れられる描写も大好き。なお本作は『家守綺譚』の姉妹作。そちらが好きな人はぜひ。 ものすごく個人的な好みとして、文庫版は新潮文庫の組版が読みやすく感じる(角川文庫版も購入済)。ご参考まで。
  • 2025年10月27日
    幻の光
    幻の光
    宮本輝さん2冊目。 短編集。『幻の光』『夜桜』『こうもり』『寝台車』 いずれも、家族や知人と距離感は様々だけど人の死が絡む話。遺された人の語り。 そう、遺された方はどうしたら良いか分からないまま、それでも生きるしかないのだよなあと思わせられる。朴訥とした表現の底の方ではいろんなものがぐるぐるしている。 心情や風景の描写に日本語の良さをじんわりと感じる。たぶん純文学に分類されるのかなと思う。
  • 2025年10月25日
    金環日蝕
    金環日蝕
    audibleにて。 二転三転。人間の表と裏、光と闇。誰しもが自覚のあるなしに関わらずたくさんの顔を持っている。自分自身も、目の前の人も。 犯罪に手を染めるのは必ずしも悪人だけではない。過去を知らなければ見えないものがある。 明るく軽やさがありつつ、苦しさややるせなさもある。不思議なバランス感覚の本。でも確かに現実ってそんなものかも。 感想がまとまらないけど聴きながらいろんなことを考えた。
  • 2025年10月25日
    スパイたちの遺灰
    スパイたちの遺灰
    英国スパイ小説。MI6とかMI5とか。面白かった〜! 約650ページ。全体は長いけど10ページ前後で短い区切りがあるので読みやすかった。海外ミステリによくある?このスタイルありがたい。 続きが気になってこの数日は隙間時間ができたらすぐこの本を開いてた。 ドンパチの無いタイプのスパイもの。スピード感あり。極秘作戦や史実に残されてない出来事などの好奇心をそそる話に惹きつけられながら、伝説的な女性エージェントだった老婦人の過去と、諜報史学者(主人公)がメインの現在を行き来して、最後の最後まで徐々に真相が明かされていく。 水面下でそれぞれの思惑が動く感じが良い。 終わり方も良かった。哀愁。 p.645 これはまぎれもなく、孫の世代へと語られるべき物語だ。 しかし、それができないのがスパイなのだ。最高の話はけっして語ることができない。
  • 2025年10月20日
    君のためなら千回でも 下(2)
    君のためなら千回でも 下(2)
    アフガニスタン、ソ連侵攻、タリバン政権のことなど物語を通して少しだけど知ることができた。 小説としては、タイトル回収が良い。 大きなテーマの一つかなと思う、父と息子の関係が印象に残った。アメリカへ亡命してからの父親の献身が良い意味で意外な驚きだった。地位を失っても誇りを失わない人。何の過ちも犯していないとは言えないけど。良いキャラクターの1人。
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