
伊藤裕満
@Blow_the_Night
2026年4月7日

地下鉄道 (ハヤカワepi文庫)
コルソン・ホワイトヘッド
読み終わった
地下を秘密裏に走る機関車という、壮大な虚構。誰がいつ作ったのか明かされることはない。どこから始まりどこへ向かうのかわからないまま、ここでなければどこでもいいと汽車に乗るコーラ。
一部の白人が作り出した「虚構(黒人は〇〇だから危険、のような)」を乗り越えるための「地下鉄道」という新しい虚構。それは逃げるための手段でありながら、「現実」に立ち向かうための武器(フィクション)となっている。
主人公のまわりを固めるキャラクターたちも個性的で、各エピソードで考えさせられ、単純な話ではないことが強く念を押される印象。
幽霊、地下を走るトンネル、渡ることが困難なほど深く大きい沼、行く手を阻む蛇など、あらゆるメタファーで物語は深められている。
素晴らしい小説でした。