活字畑でつかまえて "パン屋再襲撃新装版" 2026年4月9日

パン屋再襲撃新装版
20数年ぶりの再読。 「パン屋再襲撃」 再襲撃というのがいい。 村上春樹的に言うなれば、何はともあれそれは果たされなければならなかったのだ。 選択肢はないのだ。 つつがなくやり遂げなければいけないことが この世界にはあるということ。 「どうしてこんなことをしなくちゃいけないんですか?」とマクドナルドの店員の女の子が言うが、 そんなこと知ったこっちゃないのだ。 説明するまでもないし、説明できないことなのだ。 そして最も謎で不気味な存在がいちばん身近にいると言うこと。 何者なんだ妻は。 「象の消滅」 これぞ村上春樹作品の傑作中の傑作。 疑いの余地のない名短編である。 おそらく象と飼育員だけがまともで正気なのだ。 象と飼育員が消滅したことでこの世の箍が外れてしまったのかもしれないし、箍が外れたので消滅してしまったのかもしれない。 飼育員の名前は渡辺昇。 「ファミリー•アフェア」 キレキレの名短編。 僕はこの兄である〈僕〉が大好きだ。 「まずい料理を残すっていうのもひとつの見識だと思う」 村上春樹のこういうところに僕は惹かれたのだ。 「そんなにお酒飲んで車を運転できるの?」とその子が心配そうに訊いた。 時代だなぁ。飲酒運転がまかり通っていた時代。 「また近いうちに誘っていいかな?」と僕は訊いた。 「デートに?それともホテルに?」 「両方」と僕は明るく言った。「そういうのは、ほら、表裏一体なんだ。歯ブラシと歯みがきみたいに」 最高である。 「家事を分担してるんだ。彼女が洗濯して、僕が冗談を言う」 これも最高。 「結婚式はやはり秋がいいな」と僕は言った。「まだリスも熊も呼べるし」 いいなぁ。 「お兄さんはまだ結婚するつもりはないんですか?」「チャンスがなくてね。」と僕はフライド•ポテトを口に入れながら言った。「幼い芋の面倒も見なくちゃならなかったし、長い戦争もあったし」 ほんと最高。 妹の婚約者の名前は渡辺昇。 「双子と沈んだ大陸」 「1973年のピンボール」に登場した双子の女の子、渡辺昇という名前の共同経営者、事務の女の子、笠原メイという名前の女の子(ダンス•ダンス•ダンス&ねじまき鳥クロニクル) 「ローマ帝国の崩壊(後略)」 特に感想なし。 「ねじまき鳥と火曜日の女たち」 1985年にはもう「ねじまき鳥クロニクル」の冒頭部分が短編という形で書かれていたんだな。 それにしても何度読んでも面白い文章だな。 今作では飼い猫の名前がワタナベ•ノボル 作中で〈僕〉が読んでいた本 レン•デイトンの小説 クラレンス•ダロウの伝記
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