記憶の本棚 "スワン" 2026年4月8日

スワン
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呉勝浩
呉勝浩の9作目。 第73回日本推理作家協会賞 長編および連作短編集部門 受賞作 第41回吉川英治文学新人賞 受賞作 第162回直木三十五賞 候補作 --------------------------- 不思議なものだ。世間にあふれるコメントのなかの、ほんの一部の、もっともくだらない反応ほど、目に残り、記憶に焼きつき、心を削られた。どれだけ無視しようと思っても、駄目だった。やめておけばいいのに、まるで傷口をえぐりにいくように、下劣な言葉を探してしまった。 (p240) --------------------------- 全員が嘘を言っている。証言のどこからどこまでが本当で嘘なのか。誰の何を信じれば良いのか…… ただの犯人探しのミステリーとは一味違った、主人公が善なのか悪なのかもわからず、嘘がさらなる嘘を生み、人は自分の意思とは関係なく善にも悪にもなり得るという恐怖を感じる物語だった。 とにかく面白くて一気読み。 そして犯罪に巻き込まれ残された人に「助かってよかったねぇ」などと間違っても言えなくなるような、生き残った被害者について深く考えずにはいられない一冊だった。
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