気過熱 "斬首の森" 2026年4月8日

気過熱
気過熱
@mar21_y26
2026年4月8日
斬首の森
斬首の森
澤村伊智
この間読んだ『撮ってはいけない家』とジェンダー感の違いを感じる本だった。 この本の作者の澤村伊智氏が79年生まれ、撮っては〜の作者の矢樹純氏が76年生まれ。 澤村氏は登場人物の男性を傲慢で役に立たないのに偉そうという立ち位置で、女性は抑圧されており搾取されているが理性的であろうとしている。 矢樹氏は男性が優秀で女性は足を引っ張るように描き、亡くなるのも話の中では女性だけで、男性への媚び方などが90年代のような雰囲気があった(舞台は現代)。要は古さを感じた。 各々の作品の一つだけを取り上げて断定する気はない。 私のジェンダー感からすると澤村氏の小説の方が居心地が良かった。それは今を描いているように感じるから。 『斬首の森』に出てくる男性全てが無能で性格が悪いわけではない。でも組織を牛耳っているのは男性たちで、手を汚させられているのは女性。その中で掴み取るものの質も男性の方に軍配が上がる。 今の日本の様子をよく描けており、身に覚えのある現実を基礎としてその上に物語があることが良かった。 『ぼぎわん』シリーズの作者と知ったときは気が重くなったが、だいぶ成長なさったのだなと滋味深かった。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved