
りなっこ
@rinakko
2026年4月8日
タイム・シェルター
ゲオルギ・ゴスポディノフ,
寺島憲治
読み終わった
頗る面白かった。事の始まりは、老人の記憶障害の治療に“過去”が有効だったこと。記憶を失くした人たちに、彼らの内的な時間に合わせた空間(60年・50年・40年代…)を作って幸福の記憶をもたらしたことだった。けれどもその“過去”への傾倒というウイルスは、急速にヨーロッパ中に広まってしまう。
人の意のままには出来ないはずの記憶を、“時代の記憶”という目に見える形にしてそこに留めておく…という試みの結末。記憶と忘却をめぐる語り手(とガウスティン)の断片的な思索と、“ボルヘスの二重化の遊び”に引き込まれた。




