
みつき
@mitsuki-o
2026年1月23日
クィアのカナダ旅行記
水上文
読み終わった
エッセイ
図書館本
ジェンダー
@ 自宅
遠い。とてもとても遠い。ただの若者の極めて私的な海外旅行記としてしか読めない。おかしいな、同じクィアのはずなのに、と思いながら読んでいたが、九十年代に生まれ「(前略)ジェンダー・モダリティ的にはマジョリティだけど(中略)異性愛者ではない、という類いのクィアである」(p14)と自身を認識する著者と、七十年代生まれのMtFの私が思うクィアとが近しいカテゴリーのはずもないのであった。なにしろ私は、著者が「(前略)『日常的』に出会う機会は、日本では確かにあまりない(後略)」(p214)とあっさり書いてのける「白髪のクィア」(p214)なのだ。異国経験についても、異国に住むパートナーを頼って旅行した著者と、全く知り合いがいない国に単独で生活しようと飛び込んでいった私とで共感できるはずがないのであった。かといって、別に嫌な読後感はない。たぶん、近しい出生や育ちのクィアにとっては共感できる本なのだろう。エピローグ(pp213-215)によると、著者は帰国してから意識的に上の世代の人々と会う機会を持ち始めているようなので、その成果に期待したい。