みつき "川端康成異相短篇集" 2026年4月8日

みつき
みつき
@mitsuki-o
2026年4月8日
川端康成異相短篇集
川端康成異相短篇集
川端康成,
高原英理
「(前略)飽くまでも川端康成という作家にうかがわれる内的な必然性、その独特な認識の帰結としての、常ならない相=『異相』への凝視の度に添って(後略)」(p344)選ばれた作品集。冒頭に収められた「心中」(pp7-9)からいきなりすごい。主人公も、彼女を嫌って去っていった夫も、物語自体も、全てが壊れている。文庫本でわずか見開き二ページの物語なのに。まともなのは彼等の娘ただ一人。どの作品もとても気持ちが悪く、かつ読んでいて楽しかったのだが、群を抜いて壊れているのは編者も「(前略)かつて一読の後、落ち着いて考え直すと『まともとは思えない』というのが私の感想(後略)」(p351)と述べる「死体紹介人」(pp163-236)。最初から最後まで徹底してどうかしている。そもそもタイトルからして常軌を逸している。かといってこの本は単なる異相短篇集ではなく、川端という文豪の作品集でもある。「離合」(pp95-119)には、異相を感じつつも、しみじみとさせられた。
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