
pamo
@pamo
2025年3月17日

ボクの音楽武者修行
小澤征爾
読み終わった
感想
世界的指揮者、小澤征爾さんの若い頃の回顧録エッセイ。
「西洋音楽を奏でるなら現地を知らねば」とバイク一台を船に乗せて旅立ち、フランス、ドイツ、アメリカなど渡りながら著名な楽団、演奏家、指揮者と出会い、世界にその名を知らしめていく…。その時代の熱気と、若き小澤さんのエネルギーに当てられて、眩しくもグッとみぞおちのあたりが引き締まる。
四苦八苦のバイク旅行記…かと思いきや、あまりにも早く才能が花開いていて、ああ、本当の、本物の「天才」ってのはこういう感じなんだなぁ…とただただひれ伏す思い。
携帯電話のない時代、滞在先から家族に宛てた手紙や贈り物、本書の原稿のやり取りも赤裸々に描かれていて、家族というものの温もりや親密な距離感に心が洗われる。LINEでいつでも気軽に連絡が取れるようになった時代だけど、届くのに数週間かかる国際郵便だからこそしたためることができる温かい言葉もあるんじゃないかなぁ。




