
本屋lighthouse
@books-lighthouse
2026年4月9日
ほんのこども
町屋良平
まだ読んでる
ところで事務所がとくにそうなのだがかれらの生活は総じて記号的で、誰しもが映像のかたちで想像できうるたとえば肉食動物を模した置物や冗談のような掛け軸はよくある任侠映画のとおり設えられているものの、それは流通しているジャンル作品に特別リアリティがあるからではなく、暴力組織のほうからフィクションに似せてやっているからだ。どちらがどちらなのか、似せているのか似にいっているのかだれにもわからず紛れていき、暴力を隠すなら暴力のなかというわけでまずは国家や家父長制に似にいくのはそのためでもある。(p.88)
ウォルター・ペイターやオスカー・ワイルドらによってかつて議論されていた「芸術が自然を模倣するのか、自然が芸術を模倣するのか」という命題がここにあらわれ、不真面目英文学生として微かに覚えのあるテーマにわくわくしつつも罪悪感も覚える。

