もぐもぐ羊 "赤く染まる木々" 2026年4月9日

赤く染まる木々
赤く染まる木々
パーシヴァル・エヴェレット,
上野元美
白人がヘイトクライムの標的になった世界を垣間見た気がした。 実際には白人(主に男性)はヘイトクライムの加害者にはなっても被害者になることは他のマイノリティー属性がない限りほぼないだろう。 それがひっくり返った時のパニックに陥る様子は彼らがいかにマイノリティーに対して軽薄だったかがよくわかる。 はじまりは過去の黒人青年へのリンチへの報復として加害者の息子たちが殺された事件だった。 でもアメリカではこれまでリンチで殺人を犯しながらも罪に問われることなくなかったことにされてきた死がたくさんある。 犯人たちは気晴らしのように人を殺し、裁判になっても犯人と同じ属性の陪審員たちによって無罪が言い渡されてきた。 被害者は黒人を含む有色人種(カラード)だ。 でも白人だからといって何が優れているのか? ミシシッピ州マネーの白人たちは保安官も含め自分たちのことをペッカーウッド(貧乏白人)やレッドネック(偏屈な南部白人)などと自嘲するが、人種差別主義的な思想を改めることができないのは、白人であること以外に誇れることがない人たちだからなのかもしれない。 同じ著者の『ジェイムズ』は奴隷制末期のミシシッピ州の話だったが、現代のミシシッピ州は時が止まったままのようだった。 また、いわゆる「MAGA」という人たちがどうやって醸成されてきたのかが少しだけわかった気がした。
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