
akamatie
@matie
2026年4月9日
少年が来る
ハン・ガン,
井手俊作
読み終わった
辛くて読むのやめようかと思ったけど、気になってしまい読了。改めて感想。
少年や女性労働者、男子学生たちの語りによって描かれ、フィクションを含みながらも、まるで生の声を直接聞いているような感覚に引き込まれた。
今ではエンタメの国である韓国で、自分が生まれる数年前に、民主化を望む市民が軍政権によって無惨に殺され、尊厳を奪われた事件があったことに衝撃を受けた。遺体は乱雑に扱われ、生き残った人々も拷問によって心を壊され、女性の尊厳も踏みにじられる。身体的な暴力だけでなく、思想や心までも侵食されていく感覚に強い恐怖を覚えた。
一方で、命の危険があると分かっていても抗い続ける人間の意志の強さと、仲間の死や繰り返される拷問の中で心が壊れてしまう脆さの両方が描かれていた。
残忍さ、強さ、脆さが一つの作品の中に同時に存在していることに、被害者が可哀想で終わらせない作品の深さを感じた。
それにしても、もう二度と読みたくはない。

